個展で絵が1枚も売れない原因と改善策

こんんちは、ペン画家の安藤です。今回は・・・

絵が売れない原因と対策
絵を1枚売るために自分ができることを解説していきます。

結論から言うと、個展で1枚も売れない原因は「作品の良し悪し」ではなく、
“売れる構造が設計されていないこと”です。
なぜなら、個展に来る人の多くは「買うつもり」で来ていないため、
自然に購入へ進む導線がなければ売上は発生しないからです。
この記事では、売れない個展に共通する原因を5つに分解し、
それぞれをどう改善すれば実際に売れる状態に変わるのかを具体的に解説します。
読むと、自分の展示に足りていない要素が明確になり、
次回の個展で売上を作るための行動が取れるようになります。

〈関連記事〉
絵の値段の決め方【画家になるために】
【画家で生きていく】売り絵と売れる絵の違いとは

なぜ個展で作品は売れないのか

まず押さえるべき前提は、「来場者の目的」です。
多くの人は鑑賞目的で来ており、購入前提ではありません。

つまり、展示に来た時点ではこういう状態です。
「いい作品だな。でも買う理由は特にない」

この“ニュートラルな状態”を放置している限り、作品は売れません。
必要なのは、「買う理由」と「買いやすい環境」をその場で作ることです。

ここからは、そのために見直すべきポイントを具体的に解説していきます。

見直すべき5つのポイント

価格設定が“作家基準”になっている

売れない原因として最も多いのが、価格設定のズレです。
制作時間やサイズだけを基準に決めている場合、市場と乖離している可能性が高いです。

来場者は「時間」ではなく「納得できる価値」で判断します。

改善方法はシンプルです。
まず、同ジャンルで実際に売れている作家を10人リサーチし、価格帯を把握します。
その上で、自分の作品価格を相場に近づけます。

そして必ずやるべきなのが、“入口商品”の設置です。
具体的には3万円以下の作品を用意します。

初見の作家に対して高額作品をいきなり購入するケースは稀です。
小さくても購入体験を作ることが、次の高額購入につながります。

展示構成が「見るだけ」で終わっている

作品をただ並べているだけでは、鑑賞で終わります。
売れる展示は「視線の流れ」と「理解の順番」が設計されています。

基本構成は以下です。
入口に小作品(低価格)
中央に代表作(コンセプト提示)
奥に高額作品(理解後の選択)

この順番にすることで、来場者は自然に「選ぶ」状態に移行します。

さらに重要なのが作品解説です。
ただの抽象的な文章ではなく、具体情報を入れます。

・制作時間(例:1日3時間×14日)
・制作工程(反復・ルールなど)
・見てほしいポイント

これにより、鑑賞者の理解が深まり、「価格に対する納得」が生まれます。

接客が機能していない

売れない展示では、接客が極端に偏っています。
話しかけないか、過剰に話しすぎるかのどちらかです。

最適なのは「質問に対して具体的に答える」ことです。

例えば、
「どれくらいで描いたんですか?」と聞かれた場合

曖昧な回答ではなく、
「1日3時間で約2週間です。細かい部分はルールを決めて反復しています」
と具体的に答えます。

これだけで作品の解像度が上がります。

さらに有効なのは、会話の最後に一言添えることです。
「気になる作品があればお取り置きもできます」

この一言で、購入への心理的ハードルが下がります。

購入導線が設計されていない

意外と多いのが、「買い方がわからない」展示です。
これは致命的な機会損失です。

最低限チェックすべき項目は以下です。
・価格表が見やすい位置にある
・作品に番号が振られている
・購入方法が明記されている
・キャッシュレス決済に対応している

理想は「誰でも迷わず買える状態」です。

例えば、QRコード決済や振込案内を明示しておくだけでも、購入率は大きく変わります。

集客の質がズレている

来場者数が多くても、売上につながらないケースは多いです。
原因は「ターゲットとズレた集客」です。

重要なのは、作品に興味を持つ層を呼べているかです。

具体的な施策としては、展示の1ヶ月前から発信を始めます。
流れは以下です。

制作途中 → 完成 → 展示告知 → 作品紹介

この順番で情報を出すことで、来場前に興味が醸成されます。
ただの告知だけでは、“買う理由”が育ちません。

売れる個展に変えるためのチェックリスト

以下を満たしているか確認してください。

・3万円以下の作品がある
・価格表が一目で理解できる
・購入方法が明記されている
・作品に具体的な解説がある
・来場者と最低1回は会話している
・SNSで制作過程を発信している

3つ以上欠けている場合、売れない可能性が高いです。

それでも売れない場合に疑うべきこと

上記を改善しても売れない場合、構造のさらに上流に問題があります。

まず「ターゲットが曖昧」なケースです。
誰に向けた作品なのかが不明確だと、誰にも刺さりません。

次に「作品数が少ない」問題です。
選択肢が少ないと、購入に至る確率は下がります。

目安としては、最低でも15〜20点は必要です。

最後に「展示期間が短い」ことです。
認知から来場、購入までには時間がかかります。
短期間ではそのプロセスが成立しません。

売るために無料で自分ができること

絵を1枚売るためにまずはお金をかけずにできることをやっていますか?
有料で宣伝したり、立地のいい高額なレンタルギャラリーを借りるよりできることがあります。

最も売れる方法

最も売れる自分ができることは

実際に原画を展示し作家が在廊して作品の解説をする。』です

個展やグループ展など、原画を直に見れて作家と直接触れ合える場を提供する。
理想は高額な商品を売るデパートの販売員のイメージです。

お客さんが自分の絵の前で立ち止まっても見て見ぬふりしてないですか?
(自分も接客歴8年ですが話しかけるのは苦手です)
プロフィール、名刺、ポートフォリオなど
接客しなくても自分や絵のことを知ってもらえる材料(POP)を準備していますか?
展覧会ではなるべく在廊しましょう。

関連記事:【絵描き必見】展覧会中に在廊すべき4つの理由とメリット

展示する作品サイズのラインナップを増やす

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作品構成例:大きい作品は少なめに、小さい作品は多めに

・展示の際の作品サイズ構成比

例えば大1:中3:小6
大きい作品は少なく、小さくてお手頃価格な作品は多めに。
(価格もその比率に準じます)

大中小は以下に置き換えて考えます。

小=手間が少ないから値段も安くする、誰でも買えるはがきサイズ前後の作品

中=中ぐらいの手間で、欲しい人なら買おうと思うポスターくらいの中ぐらいの値段の作品

大=手間もかかるし、覚悟と余裕がある人や企業などしか買えない大きくて高い作品

この3つのラインナップを上記の構成比を意識して展示します

自分の好きなサイズで描きまくって展示し、
自給換算や自分で決めた値段をつけていませんか?

お客さんが買いやすい値段や飾りやすいサイズを意識して、
相場や自分の知名度に沿った値段を算出しましょう。
ただし安売りは厳禁!です。

・買った後の部屋やオフィスでの展示風景をイメージして額装する

絵の内容のみで額を決めていませんか?飾ったときの壁紙の色(だいたい木目か乳白色)を考慮しましょう。奇抜すぎても地味すぎてもダメ

緩急のある展示の仕方

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額やモチーフの緩急をつけて展示

個展などで自分の作品を何点も並べる場合

『小 小 小 小 小 小 中 中 中 大』

よりも

『小 中 小 大 小 中 小 中 小 小』

などサイズをばらけさせると鑑賞者も飽きにくい。
上記のようにモチーフや額の色が似たようものが続かないようにすること。
演出により同じシリーズが並ぶのは別です。

こうしてバラバラに展示していると
自分の売れる絵の傾向(何が売れて何が売れないのか)がわかってきます。

例えば・・・
3号以下のサイズ、花より動物の絵が売れるなど。

なので次の展示では動物の3号以下の絵を少し多めに、ほかのモチーフや新たな技法で挑戦した作品などを並べます。
これを繰り返すことによって、動物、 風景画など自分の絵柄で「売れる」要素の絵がわかってくるわけです。
ここで注意なのが売れる傾向がわかってくるとそればかり描いては売るのループになってしまうことです。
そうならないよう程々に売れたら描くを繰り返し、
ほかの自分の絵でも売れる要素を探っていきましょう。

とはいってもあなたがベストを尽くした絵をお客さんは欲しいはずなので
上記の要素に囚われすぎず、好きなように描けることが一番です。

売れる絵の要素

小さい絵(サムホールサイズなど)
・抽象より具象
花鳥風月+美女
モチーフ(花、動物、風月=風景、美人画など)
赤い絵(国内だと青い絵も)
・縦より横長の絵
金箔
(箔)を用いた絵
一定以上の完成度をもつ所有したくなる絵
・所有したくなる絵=小さくても個性の際立つ絵(一目見て○○さんの絵だと思うもの)

完成度の高い絵とは・・・描写の密度、複雑な画面構成など小さくても時間をかけて丁寧に描いた絵(画力があるのが大前提!)

上記に限らず抽象画でも縦長の絵でも実際は売れます。
ですが売るために出来るだけ要素は取り入れること。
これを「売り絵」と勘違いする人がいます。
この資本主義の世の中で「自分は純粋に芸術を追求しているから売れなくていい」は言い訳でしかないです。
美術界を変えるきっかけになった名画は誰かに必要とされて、誰かに所有されたからこそ今に至るまで残ってて「名画」と呼ばれるわけなので。
そもそも売れない絵=価値を見出してもらえない絵です。
あくまで自分の好きなように描いていく中で売れる要素を一部入れるということで
これは「売り絵」とはまた異なります。

例えば・・・
自分が好きなモチーフを描いて金箔をはる
自分が好きな色を使って花鳥風月を描く
抽象でも青を多めに使うなど

自分の絵柄で取り入れられる要素はなるべく入れるという意味です。

無料でできるネットでの広報・販促三点セット

SNS

SNSは無料の広報手段です。
普段から作品解説や自分のこと、制作の考え方などを投稿し、
フォローしてくれる人とのコミュニケーションを重視。
作家としての信用とファンを増やしていきましょう。

HP

HP(ホームページ)は無料で簡単に作れるサービスもあります。SNSで興味を持った人などがより深くあなたのことや作品のことが知れるよう詳細な解説文やプロフィール、作品一覧などを充実させておくとSNSに頻繁に投稿しなくても済みます。
定期的にブログも書いておくとそれだけHPを見る読者が増えます。
SNSより詳しく解説できるのでアーカイブとしても大事な資料となります。

ネット通販

品物は店先に並んでないと売れません。
今すぐ売れなくてもいいんです。
展覧会など何もないときにオンラインショップに公開しておけば欲しい人が勝手に買います。
ほかにも現地でオンラインショップの二次元コードを
提示しておけばカードや電子マネーなどの現金以外の決済に対応できます。
ECサイトの立ち上げもいまや年会費や開設料などはかかりません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
個展を開いても全く絵が売れない、いつも赤字
そんな状態から一歩先へふみ出してみませんか?
取り入れられるものがあったらどんどん取り入れてみてください。
私も思いついたらまた記事にしようと思います。

それではまた!