目次
画家活動といっても描く絵柄や予算で活動内容は変わってくると思います。
そもそもどこに絵を出して売り込んでいくのか
私は、経験のために「ここでは見向きもされないんじゃ・・・」という場所にもあえて飛び込んできました。失敗なんてありません、すべては次に活かす経験になるんで。
私は
・海外展
・ギャラリー企画展
・グループ展
・公募展
・同人誌即売会
・アートフェア
・フリーマーケット
などなど様々な場所で画家活動をしてきました。
(中には経費ばかり掛かって売り上げはその10分の1以下など黒歴史になったものもありますが・・・)
他、路上販売、ライブペイント、オンライン販売などやり方はいろいろあると思います。
今回はそれぞれを解説していきます。
海外展
出品相場:1点3万程度(輸送費込み)
たまに出展の勧誘メールが来ます。値段は5~15万。正直高いです
私はある賞をいただいて海外展の招待権をもらいました。
カナダのギャラリーに無料出展しましたが、作品は返却時に紛失、数年たった今でも返ってきません。
他にも木箱で厳重に梱包したのに返却されてきた中の作品の額がバラバラになっていたなど、
値段が高い、作品が紛失・破損しやすいなどリスクがあります。
そもそも日本国内で売れないものを海外のギャラリーに展示しただけじゃ何も起きません。←圧倒的に準備不足です。よくパリなどヨーロッパのギャラリーで展示しませんかと10万くらいの料金の勧誘メールが来ますがフランスなどでは高い絵は売れません。ましてや無名のアジア人の描いた絵を買う人がいるでしょうか。
限りなく0に近い運に任せるのはお金の無駄です。
実力があり、英語やフランス語で紹介文や作品説明が出来れば
海外公募展やギャラリー専属契約の道もあると思います。実際それでプロデビューする人もいるでしょう。1回個展をやっただけでは費用が回収できないので複数回の企画を立て定期的に売り込んでいかなければなりません。
莫大なお金と時間が必要です。
今はSNSで海外に発信できる時代です。「海外のギャラリーで展示」にこだわる必要もないと思います。
ギャラリー企画展
出品相場:無料~数万
企画展自体は百貨店などもあります。場所代は無料、売れたら手数料5割~が多いです。もちろん誰でも出品できるグループ展や公募展とは違いギャラリーや画商に選ばれた作家(取り扱い作家)しか出れません。
売れると確信した作家、将来性がある作家など基準は様々です。
他にもギャラリー企画の公募展で受賞→企画で個展やグループ展開催
というのもあります。出展料は無料が多いです。私も過去に公募展で賞受賞→企画個展(場所代無料、手数料4割)を実現しています。
もしグループ展や個展で展示しても赤字なら、
ただ費用がかかるグループ展に出続けてるよりは
公募展に挑戦して賞を狙う→無料で企画展に出る
を目標にしてはいかがでしょうか。
グループ展
出品相場:数千~5万前後
幅1.5mで1万5千程度、売上手数料20~30%が相場です(ギャラリーもよります)
例えば出品料1点6000円売上手数料30%の場合、あまり安い値段をつけると売れても赤字になってしまいます。出品規定や料金を事前に確認しておきましょう。
基本的に初期の活動はグループ展での作品展示・販売がメインになってくると思います。
グループ展のメリットは
・他の作家目当てで来たお客様に自分の作品を見てもらえる。
・個展より安く展示できる。
・企画ギャラリーでのグループ展の場合、店主に作品やポートフォリオを見てもらえる。→何度か個展→取り扱い契約
・他作家と情報交換できる。志を共にする作家仲間はモチベーションにも繋がります。
ほかにも搬入出の一連の流れや準備が経験出来たり、
キャプション、プロフィール、グッズ展開など他作家から学ぶべきことがたくさんあります。
グループ展自体は1年中全国で募集していますが
どうせ申し込むなら企画ギャラリーのグループ展をお勧めします。
なぜなら企画ギャラリーは作家のプロデュースもしているところが多く、
オーナーの目に留まれば将来所属契約の可能性もあるからなんです。
ちなみに貸しと企画のギャラリーの見分け方は公式HPに取り扱い作家が掲載されているかで判断できます。
グループ展自体、敷居も低いほうなのでぜひチャレンジしてみてください。
公募展
出品相場:無料~3万前後
1.公募団体(○○会、○○協会など)の主催するもの
2.ギャラリーや美術雑誌、画商などが主催するもの
3.地方や市町村が主催する○○ビエンナーレや市美術展
などがあります
(分類がきっちり決まっているわけではありません。あくまで経験によるものです)
1.公募団体(○○会、○○協会など)の主催するもの
将来的に団体の会員を狙うならいいと思いますが、あまりメリットはありません。
入会金や年会費もかかります。
昔は所属していれば権威や名誉がありましたが、今は公募展で運営資金を集めるのがやっとで若い人を取り込もうと必死のようです。交流会に行っても年配の方しかいない、上の人に気に入られようと必死、など人間関係が面倒という感想もよく聞きます。
2.ギャラリーや美術雑誌、画商などが主催するもの
経験上一番「次につながりやすい」です
理由は販売を目的にしていることが多いからです。
この世は資本主義なので結局は金です。お金に余裕のある人、趣味で描いている人でなければ長く続けるにはある程度絵も売れないと活動してはいけません。経済的にはもちろん自信やモチベーションにも影響してきます。在庫も増えていきますし・・。
賞を取れば賞金や粗品がもらえますし、企画で個展やグループ展が実現するかもしれません。ギャラリーや美術関係者へのアピールにも繋がります。
3.地方や市町村が主催する○○ビエンナーレや市美術展
都道府県・市町村主催の美術展は出展料が無料~数千円のもあり(もちろん高額なものもあります)
お手頃価格で展示できます。ただ販売を目的にしたものは少なく(販売は不可)、あくまでアピールの場であることが多いです。賞金が出るものもありますが、個展や企画展にはなかなか繋がりません。
○○ビエンナーレ(2年に1回)やトリエンナーレ(3年に1回)は出展料は数千~数万で幅が広いです。規模によっては現場に常駐しなければならないものもあり、アートフェアに近いものもあります。
規定をよく確認しましょう。
同人誌即売会
参加費相場:1000円~6000円
その名の通り同人誌を販売(頒布)する集会です。単に「イベント」とも呼ばれます。
出展側はサークル、お客さん側は一般参加者と呼びます。「コミケ」が有名ですね。
(厳密にはお客様と販売者の関係ではなくどちらの側も「イベント参加者」です)
一見芸術活動とは無関係に思えますが、地方だと1000円~2000円ほどで出展できるお手頃価格が特徴です。同人誌とありますがアニメや漫画(2次創作)の自作小冊子しか置けない・販売してはいけないわけ
ではありません。
オリジナルのグッズやアクセサリー(1次創作)などを販売(頒布)する参加者もいます。私も最初は抽象画ポストカード数枚のみでサークル参加していました。
ここで売り上げを得るためにはそれなりの準備が必要なので割愛しますが、名刺・DM配布やポストカード頒布など知名度アップの場として割り切れば安い広告費だと思います。
ほかの作家とも知り合う機会になりますし、新たに自分を知ってくれファンになってくれる人がいるかもしれません。
ここからプロの漫画家やイラストレーターとして活躍する方もいます。
こちらで全国の同人誌即売会のスケジュールも見れます
赤ブーブー通信社
他にも地方独自で行っている即売会もあります。
アートフェア
出展相場:2万~10万以上
作家やギャラリー、画商ごとにブースを割り当てられ、そこに常駐して接客します
美術作品に特化したもの、創作物オールジャンルのもの、出展はギャラリーのみなど形態は様々です。ほとんどはギャラリーと契約してる作家と作品で応募します。出展料も100万を超えるものもあるなどあまり個人で出るイメージは無いかもしれません。
売り上げ配分はギャラリー:作家で50:50とするところが多いようです。
メリット・デメリット
金額的にも敷居は高いですが、美術業界が注目しているのと、審査があり選ばれた作家しか出れないので作家やギャラリーにとっても名前を売るのには良いチャンスとなります。
そんな利点と同時にアートフェアに出展することは幾ばくかのリスクを背負います。配布物などの広告準備、作品の搬入出に設営、期間中の滞在費、そして出展費。これらの仕事量と出費額、そして一週間近くある展示期間がネックになり、出品を渋っているギャラリーが多くあるようです。
それらを全て個人で行う代わりに、ギャラリーの名前を貸りるということも可能というわけです。またギャラリーのみが出展するアートフェアの中には特別推薦枠などで個人出展している作家も見受けられます。
国内のアートフェアだと
・東京アートフェア
・東京インターナショナルアートフェア
・ARTISTS’ FAIR KYOTO
・Art OSAKA
・SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)
・Independent TOKYO
他にもまだまだあります。
アートフェアに近い形式でジャンルが多岐にわたるデザインフェスタも個人で出れて敷居が低いほうです。個人で出る分準備が大変ですが・・・
アートフェアも作家個人を対象に公募しているものもあります。
その場合、略歴や作品コンセプト、作品画像などポートフォリオの提出を求められることもあります。
フリーマーケット
相場:無料~数千円
私は無料のものしか出ません。元々原画を買う目的で来る人は限りなく0に近いです。
名刺やDMを配り、
ポストカードや缶バッジなど手に取りやすいグッズを販売し、
原画を展示するなど知名度UPに利用します。
参加無料だと販売できれば収益になります。
ただ本来は中古品を売る場なので値引きの要望やグッズ盗難などのリスクもあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
これはあくまで私が画家活動を通して経験してきたことで
これ以外にも自分で模索していくことが必要です。
出版社に持ち込んだり、ライブペイントや路上販売、他展覧会レセプションパーティーで名刺を配ってくるのも立派な活動ですよ。人生は有限やったもの勝ちです。
次はないという気持ちでどんどん挑戦してチャンスをつかんでくださいね!
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