【絵が売れたら用意するもの②】差し箱、黄袋について解説

みなさんこんにちは!
ペン画家として全国で展示活動をしています安藤光(あんどうひかる)です。
絵が売れたら用意するもの」シリーズということで前回は作品証明書について解説しました
今回は、
「これから絵を売ることを考えてる方」に差し箱、黄袋について解説していきます。

絵を売ったら箱、袋って要るの?

まず絵を売ったら箱、袋って要るの?と思う人がいるかもしれませんが、
これが意外と重要です.

これの有無で絵を買った時の感動や印象が全然違います。
例えば・・・はがきサイズの原画を2000円で買った時ならなくてもいいと思います。
しかし、画廊や百貨店で10万の絵を買ったときに直に紙袋などに入れて渡されたらどうでしょう。

せっかく思い切って買ったのに梱包がイマイチだと買ったことすら後悔する気持ちになります
気に入った絵を買ったときに綺麗な箱に入っていたり
梱包がしっかりしていると印象が違ってくると思います。

今後数万円~で絵を売っていきたいなら袋、箱を付けたほうが買ってくれたお客様も喜ばれると思いますし、なにより買ってくれた方への気持ちとして私は袋と箱を付けるようにしています。

画廊によっては箱を付けてくれたりくれなかったり様々です。
付かない場合はなるべく自分で用意すると喜ばれます。

黄袋とは

黄袋とはそのまま黄色い袋の事なんですが、絵画を包むウコンで染めた綿の袋の事をいいます。
ウコンは虫よけ効果があり昔から骨董品や絵画などを包むのに使われてきました。
ビニール袋と違い通気性に富み、湿気から額縁などを守り、カビにくくする効果もあります。

最近では化学染料で黄色に染まっているもの(防虫効果は無し)もありますから
黄色にこだわらずに作品に合った色や柄を使う方もいます。
黄袋は市販の布を買ったり、額縁屋さんに寸法を伝えて作ってもらったりします


私も市販のウコン布や古い風呂敷を切って自分で縫ったり、
大きいものはオーダーして作ってもらっています。

箱の種類

絵を入れる箱には差し箱のほかにかぶせ箱という種類があります。
それぞれのメリット・デメリットについても解説していきます。

かぶせ箱

額縁を買うと大体かぶせ箱はついてきます。
メリットは、余計なお金を払うことなく用意できます。
急な展示などでは活躍します。

絵を保管する上では箱はかぶせ箱でも十分なのですが、
例えば搬入出で大量の作品を出し入れする際、飾る絵を頻繁に入れ替えるコレクターの方など、
かぶせ箱というのはなかなか出し入れが面倒な箱です。
デメリットはいったん箱ごと全部出さないと中身がわからず管理や状態確認がしづらいことです。

差し箱

メリットは、絵をスライドさせて出し入れできることにあります。
作品は立てて保管します。
さし箱はそのまま出し入れや中身を確認するのが容易で絵を買った方も管理しやすいのです。

デメリットは、さし箱は額を注文してもついてきませんので
別途用意しなければなりません。

差し箱を額縁屋さんなどに注文すると送料や箱自体
の値段を絵に上乗せすることになります。
そうすると絵の値段がさらに高くなってしまいます。

なのでコストを抑えるために、
私は額を買ったときにについてきたかぶせ箱をさし箱に改造して使っています。
そうしないと額についてきたかぶせ箱が余ってしまいますので。
購入できる余裕のある方は買った方が綺麗です。

かぶせ箱から差し箱へ改造するために用意するもの

かぶせ箱から差し箱へ改造するために用意するものを紹介していきますね。

【用意するもの】
・かぶせ箱
・ボンドorグルーガン
・水張テープ
・文化鋲or代用品
・カッター
・クリップ、ゴムバンド(あると便利)
・刷毛
・水

作り方

①額縁購入時についてきたかぶせ箱 フタ=A、箱=Bとします
②額を差し込む部分、ABともに短辺角に切り込みを入れます
③両脇切り込みを入れた写真
④フタAと内側になる箱B両方に切り込みを入れたら
Bの短辺をカットします
⑤フタAの内側三辺にボンドを塗ります
⑥Bカットした部分、A切り込み入れた部分の位置に注意してABを合わせます。この時クリップやゴムバンドで固定するとしっかりくっつきます。

ここまでは箱をボンドで固定するまでを解説しました。
これから水張テープを箱の縁に貼っていきます。
個人的に強度を出すためにボンドで固定してから水張テープを貼っていますが、
ボンド工程を抜かして直接水張テープを貼るだけの方もいます。別に絶対こうという決まりはないので、好きなやり方で作っていいと思います。

箱の辺に合わせてテープを切ります
先に折り目を付けておきます。
自分のやりやすいやり方で貼ってください
全部折り目付けました
刷毛で水張テープの糊部分を濡らします
箱の合わせ目、露出した切れ端部分にテープを貼ります
最後に文化鋲orファスナーテープを貼って出来上がりです
額の数だけひたすら作ります

最後に箱の上部(ふたの部分)に合わせた作品ラベルを貼ります。
これで上から見たときに何が入っているのか一目でわかりますね。

おわりに

絵が売れた後にすることとして差し箱と黄袋を用意するというのを紹介しました。
他にも作品証明書やお礼状など同封するものがたくさんあります。
ギャラリーが代行してくれることもありますが、
自分で一通りできるよう経験しておくといざって時に役立ちます。
ぜひかぶせ箱があるなら差し箱に改造してみてください。
実際保管や在庫確認がスムーズになりますよ。
ではまた!