芸術家のプロになるための最低条件とは?

こんにちは!今回は【芸術家のプロになるための最低条件とは?】についてお話していこうと思います。

公募展の中には『アマチュア限定』の規定も存在します。
世の中、芸術家に限らずプロ・アマチュアの境界があいまいなものが多いですね。

こういう時に「プロって何?」
絵を売っている人? 
絵描きとして知名度がある人? 
○○会に所属している人? 
絵を描くことだけが仕事の人? 
周りに「あなたはプロです。」と言われた人?…


ということになるので、
芸術家としてどの段階からプロになるのかお話していきます。

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お金を稼げる人がプロ?

芸人でもスポーツ選手でもその分野のみで生活できてる人がプロという認識がありませんか?
プロかどうかの一般的な指標のひとつに、
「それで生計を立てているかどうか」が挙げられると思います。
芸術家の場合、制作、活動に全ての時間を当て、
自分の作品の売買によって収益を得て生活をしているということです。
また逆の場合は、本業または副業としての職業が別にあり、そちらの給料/収益があった上で、残りの時間で制作、活動を行なっているということになるかなと思います。

確かに自分の作ったものを売って生計を立てている人はプロと呼べるでしょう。
ただそれが最低条件かというと違うと思います。

プロの条件とは

ではプロの条件とは・・・

「正当な対価を得たらプロ」

だと思います。
これはどういうことかというと
作品が正当な値段で売れたら。
仕事に対して正当なギャラを受け取ったら。
などです。

ここで『正当な』というのが重要です。
売ったらプロということではありません。
100円のガムを10円で売ったら・・・売るのはおそらく簡単でしょう。
でも売れば売るほど赤字ですよね?
絵も同じです。モノには相場があります。高すぎても安すぎてもダメなんです。
プロとして相場がある程度わかっていて
自分に対する世間の評価も分かっていて
安すぎず高すぎずの値段で制作物を売って収入を得た瞬間から『プロ』なんです。
これは正当なお金を受け取った以上「責任」が発生するからです。
クレームを受ける可能性もありますし、
時には販売物の証明や保証をしなければならないからなんです。

逆にアマチュアは
販売を考えていなかったり、
販売はしていても相場(利益)を考えていない値段だったり
と趣味の延長であることが多いです。

プロになるには

プロになるには
例えば・・・
展覧会で決して安くはない値段で(正当な値段で)絵が売れればプロということです。
そうなるためには画力があるのは大前提で
「プロ仕様」を分かっていることです。
例えば絵を売るという場合、
作品本体以外に
領収書は発行しますか?
作品証明書は付きますか?
作品の裏に裏書(共シール)がありますか?
梱包は丁寧にされていますか?

などなど。
もちろんこれはギャラリーや仲介先が代わりにやってくれる場合もあります。
なので芸術家は良い作品を作って適正価格を付けるというのがまず第一ということですね。
プロ仕様は活躍しているプロはどうやっているかを知ることができればヒントになるかと思います。
値段はどうやってつけているのか?
作品を買ったら何が付属してくるのか?
梱包はどうか?
在廊時はどういう接客をしているか?
グループ展の在廊時など観察していると勉強になることも多いです。
百貨店の展覧会へ足を運んでどういう対応をしているか、どんな絵が売れていくのか市場調査に行くのもいいでしょう。
もちろん作家さんに直接質問してみてもいいかもしれません。(質問攻めで迷惑にならない程度に!)
そのためにも在廊時を狙って行ってみるのも重要です。

おまけ-絵の値段の決め方

おまけに・・・
絵の値段はどうやって決めてるの?正当な値段って何よ?
と思う方もいるかと思います。

一番最初の活動し始めた時点でなにも実績がないときは決めるのが難しいです。
値段は制作にかかった時間(時給)などではなく
自分や絵に対する世間の評価、業界の立ち位置で決まります。
よく考えてみると時給って値段の付け方ではないですよね。ただ給料計算の方法の一つです。
世の中のモノの値段って評価で決まってることが多いです。
品評会や試験(耐久テストなど)での評価と相場である程度の値段が決まり
市場でのセリなどで仕入れ値が決まります。

一番最初値段をつける考え方の一つとして。
自分や絵に対する評価、業界の立ち位置で決まります。と書きましたが
値段を決めるのは自分です。(画商、ギャラリストがある程度提示や相談にのってくれることもあります)
そこで他の作家の作品と比べてみて自分の作品のほうが魅力を感じたらその値段、もしくはそれ以上の値段つけてみる。
逆にこの作品には自分の作品はまだまだ及ばないなと思った場合はそれより安い値段で設定してみる。
というのも一つの基準になると思います。
それで売れたらその時は値上げを検討すればいいと思います。

いかがでしたでしょうか?
プロの条件やなり方を解説しました。
プロを目指す方は、値段付け方やプロ仕様とはなにかを参考にしていただけれ幸いです。