万年筆使うならコンバーターとカートリッジどっちがいいの?

こんにちは。ペン画家として全国で展示活動をしている安藤光(あんどうひかる)と申します。
ペン画家の視点から見た
万年筆を使うならコンバーターとカートリッジどっちがいいのか
それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。

カートリッジとコンバーターのメリット・デメリット

そもそも万年筆のインク補充方式がいくつかあります。
その中でカートリッジというインク入りのタンクを差し込む方法と
コンバーターという部品を使いスポイトのように
インクを吸入して万年筆にインクを補充する方法があります。
手軽に使えるのはカートリッジ。すでにタンクにインクが入っているので万年筆に装着するだけですぐに使用可能です。
一方、コンバーターを使う場合は自分でインクを注入しなければなりません。
一見カートリッジが便利そうに見えますがそれぞれメリット・デメリットがあります。

カートリッジ

カートリッジとはインク使いきりのタンクのようなものに入った
万年筆用インクのことを言います。
メーカーによって規格が違うので
万年筆と同じメーカー製のを使うのが基本です。
万年筆を買うと黒インクが入ったのカートリッジが一緒についてくることが多いです。

・メリット

・インクの補充が簡単
インクがなくなったら、新しいカートリッジに変えるだけ。
持ち運びしやすいので外出先でのインク補充が容易。

・デメリット

ボトルインクと比べて割高。
インクはボトルで売られているのが主流なのでインクの色数がとても少ない。
ボトルは販売していてもカートリッジは販売していないメーカーがほとんど。
一回装着すると使用途中で色を変えにくい。

コンバーター

筆者が持っているコンバーター

インクボトルからインクを吸入するために使います。
インクを吸入するパーツで万年筆を買っても同梱はされていませんが万年筆を販売している大手メーカーならコンバーターも別売りで販売しています。
カートリッジと同様にメーカーによって規格が違うので
万年筆と同じメーカー製のを使うのが基本です。

・メリット

色数が豊富。カートリッジにある色がボトルで販売されていないということがない。
カートリッジよりコストパフォーマンスが良い

・デメリット

ボトルインクを使いきれないことがある。使い切る前にインクが劣化する可能性があるので注意。
コンバーターにインクを注入・清掃する際に手間がかかる。

おまけ:吸入式

万年筆にはコンバーター・カートリッジのほかに万年筆本体から注射器のようにインクを直接吸入する吸入式がある。カートリッジやコンバーターが不要で昔ながらの万年筆で最も古くから採用されている形式。高級万年筆はこの形式が多い

・メリット

インクを一度に大量に吸引できる。
直接万年筆からインクを吸入できるので洗浄時以外軸を外さなくていい。

・デメリット

インクの補充にボトルインクが必要。
軸内に直にインクが入っているので軸が緩むとインク漏れのリスクがある。

どれを選ぶ?用途別オススメはこれ!

必ずしも○○がいい!というよりも使う場面によって変わります。
万年筆はカートリッジ・コンバーターの両方が使える「両用式」と「吸入式」の2種類があります。
使用場面を選ばない「両用式」がスタンダードです。

外出先(職場や学校など)で万年筆をたくさん使う場合・・・カートリッジがオススメ
いろんな色を試したい、吸入・洗浄する手間を気にしない・・・コンバーターがオススメ
職場や学校、自宅など
インクをいつでも補充できる環境でインクを大量に使用しない・・・吸入式がオススメ

インク補充の注意点

ボールペンと違って万年筆はインクを自分で選んで注入できるのが面白いところです。
それだけにインクを補充の際に注意点がいくつかあります。

・使用するインクの色、メーカーを変えるときは一度洗浄する。
・同じインクでも数カ月おきに洗浄して入れ替えると良い状態を維持できる。
・混色可同士のインク以外はインクを混ぜないこと

万年筆はボールペンなどと違ってこまめなお手入れが必要です。
好きなインクを使えたり、バリエーションが豊富なのでお気に入り軸を探したり、使えば使うほどペン先が使用者の手になじんでいくのも醍醐味です。お手入れも含めて楽しむ筆記具と言えます。

まとめ

コンバーターとカートリッジの違いや場面によってオススメが変わること、インク補充時の注意点などを解説しました。
万年筆のインクの入れ方をマスターして是非たくさんのインクを楽しんでみてくださいね。

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