今回は絵を描いて相応の値段で売っていく画家活動において
○○で描くのがオススメ!○○はやめといたほうが良い
という画材を紹介していきます。
こんにちは!ペン画家として全国で活動している安藤光です。
今年もじわじわ年末が近づいてきてやり残したことはないか
少し焦燥感が出てきた今日この頃です。
【関連記事】ペン画家がペン画に万年筆を選んだ理由
色には顔料と染料がある!その違いとは?

プリンタ、ボールペンや万年筆用インクに顔料インク、染料インクがあります。
もちろん絵の具やマーカーにも。
・染料インクとは
溶剤に溶ける着色剤を染料といいます。
染料は繊維を染めるために用いられています。
メリット
・容易に色を混ぜることができ、
色の種類が豊富
・色が鮮やか
デメリット
・光に長い時間当たると褪せてしまう
・水に濡れると溶けて滲んでしまう
・乾くのが遅い
・繊維内部にしみこむので滲むこともある
・顔料インクとは
顔料は溶剤に溶けない物質で、
微細な粉末が溶剤の中で均一に混ざった状態で筆記できるインクとなります。
顔料は塗料や化粧品などで用いられてたりします。
メリット
・耐水性、耐光性、耐熱性がある
・乾きやすい
・顔料自体は描画した紙や布の表面に残るので滲みにくい
デメリット
・鮮やかさは染料に劣る
・色が混ざらないので色が少ない
・乾くと水に溶けない←メリットでもある
染料で描いた絵は売れない

顔料インクの特徴から
染料で描かれたものより色褪せにくく湿気にも強いことがわかります。
基本的に油、アクリル絵の具は顔料成分ですが、
例えば100均のアクリル絵の具は色は染料、
アクリル成分が透明顔料ということになっています。
コピックなどもアルコールに染料が溶けています。なのであんなに色がそろっているんです。万年筆のインクも最近は顔料インクも増えてきましたが
ほとんどが染料インクです。
例えばコピックや染料ボールペンで絵を描いて売ったら・・・
「数万で買ったのに○年後に色褪せてきた!
同じ値段で同時期に買った油彩画は色褪せてないのに!」
とクレームに繋がると思いませんか?
私の場合
実際私も活動初期は染料インクのボールペンで描いていました。
(ボールペンには水性顔料と書かれていましたが水に滲むし今思えば「透明顔料」に混ざっている染料という可能性も考えられます)
もう描いてから10年以上たっているものは明らかに色褪せてきていますし、
ある時、結露でカビが生え、黒い線がほぼ消えたこともあります。
そんなこともあり現在は顔料インクを使っているわけです。
実際コピックなどで描かれた絵は取り扱いNGのギャラリーもありますし、
お客様でも画材は染料なのか顔料なのか気にする方もおります。
(過去に何回かお問い合わせをいただいたこともあります)
「イラスト」の場合はデジタル化する前提でコピックで色鮮やかに描く
ならいいのですが、原画を売る場合は、後からトラブルになる可能性があるので自分の使ってる画材をしっかり確認しましょう。
色褪せ対策
私は絵が完成後に『ホルベイン UVマットバーニッシュ』を使っています。
ただし完全にUVをシャットダウンするものではありません。
保護効果は2年ほどらしいです。
他にもアクリル額に入れるのもUV対策になります。
アクリル額はガラスより紫外線遮蔽率が高く室内の紫外線を90%カットすると言われています。
室内に飾っていても長年の日焼けから作品を保護するのに適しています。
【詳しくはこちら】
【額装するなら】ガラス額とアクリル額【オススメは○○額】
「顔料」表記でも注意!
例えば100均の絵の具
絵の具は顔料+媒材でできています。
色の元となる顔料、そこに媒材というノリの役割を持つ成分が混ざって絵の具は出来ています
乾性油を混ぜれば油絵具、アクリル樹脂を混ぜるとアクリル絵の具ができます。
普通ならこのように顔料+媒材を混ぜて作られていますが、
100均絵の具は染料+体質顔料+媒材で作られているものもあります。
体質顔料とはカサ増ししたり、固くしたりする顔料で
それ自体は発色しない、無色で安価な顔料です。
なので色自体は染料で発色させているので色褪せやすいと言えます。
絵の具以外にもペンのインクなど「水性顔料」と表記があっても実際に試してみて水に滲むなら染料の可能性もあるということを覚えておいてください。もちろん顔料インクで乾きが遅いために水に滲むこともあります。よく乾かしてから試してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか顔料と染料の違い、
絵は顔料画材を使って描いた方がいい理由を解説しました。
あくまで将来「絵を売っていく」なら染料の画材より顔料の画材をオススメします。