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はじめに|個展かグループ展かで迷っていませんか?
絵画・写真・立体作品……いずれにせよ、作家活動を続けていくうちに
「展示の場に出たい」と思うタイミングがやってきます。
そのとき最初にぶつかる壁が、「個展とグループ展、どっちに出るべき?」という悩み。
今回は、それぞれのメリット・デメリットを比較しつつ、
あなたの活動目的に合った選択ができるよう、具体的に解説していきます。
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【基礎知識】個展とグループ展とは?
まずは用語の確認から。
● 個展とは
一人の作家が展示スペースをすべて使い、
自分の作品だけで構成する展覧会。
タイトル、テーマ、展示構成、PRすべてを自分で考え主導する。
● グループ展とは
複数の作家が集まり、共通のテーマやジャンル、あるいはバラバラなスタイルで展示を行う形式。
主催者が企画することも、自主的に仲間で開くこともある。
【個展のメリット】あなたの世界観を伝えられる

1. 世界観をフルに打ち出せる
すべての空間を自分の作品で構成できるため、作品の見せたい順やテーマを自在に設定できます。
シリーズの流れや作品の成長を見せたい場合にも最適。
2. 本気度が伝わる
個展は開催までに多くの準備が必要。
その分、観客には「本気で活動している作家」として強い印象を残すことができます。
【個展のデメリット】負担も責任も全て自分
1. 準備と費用が大変
展示作品の準備はもちろん、DM作成、搬入出、在廊、広報……すべて自分でやる必要があります。会場費も自己負担が基本。
2. 集客が難しい
知名度がないうちは、そもそも来場者を集めるのが一番の壁。DMを送っても、誰も来ないという可能性も。
3. 販売につながらないことも
「個展=売れる」ではありません。世界観が強すぎて作品購入に踏み出しにくい、という来場者の声も実際にあります。
【グループ展のメリット】手軽で仲間もできやすい

1. 費用や準備の負担が分散される
一人当たりの展示面積が小さく、会場費・DM費などを折半できるのが大きな魅力。初めての展示にも向いています。
2. 他作家のファンに作品を見てもらえる
「誰かのファンが来たついでに自分の作品にも目を留めてくれた」という偶発的な出会いが生まれやすいのも、グループ展の強み。
3. 仲間ができる・情報が入る
展示作家同士のつながりができると、次の展示企画に誘われたり、創作に対する刺激を受けたりすることも。
4. 幅広いテーマが試せる
テーマに沿って1〜2点の出展を求められることが多く、実験的な表現や新シリーズのお試しにもぴったり。
【グループ展のデメリット】主役にはなりにくい
1. 印象に残りにくい
何人もの作家の中に埋もれてしまい、「誰の作品か覚えていない」と言われることもあります。
2. 販売機会が限られる
在廊時間が短い、あるいはまったく在廊しない場合もあるため、販売や価格交渉が難しいケースも。
3. 展示方法に制限がある
設営ルールがあらかじめ決まっていたり、
使用可能な什器や展示スペースに制限があったりと、自由度は低めです。
【どっちを選ぶ?】あなたの目的別・おすすめ展示スタイル
以下のような目的があるなら、どちらが合うかを整理してみましょう。
| 目的 | 向いている展示形式 |
|---|---|
| 自分の世界観を深く伝えたい | 個展 |
| 展示に慣れていきたい | グループ展 |
| 創作仲間やネットワークが欲しい | グループ展 |
| 実績を明確に積みたい | 個展 |
| 新作のお試しや市場の反応を知りたい | グループ展 |
| SNSフォロワーが多く、一定の集客が見込める | 個展 |
【結論】どちらも経験する価値がある
最終的には「どちらが上」ではなく、「どちらもやる価値がある」というのが現実です。
グループ展は初心者でも参加しやすく、展示の経験を積むには最適。
仲間との出会いもあり、チャンスが広がります。
一方、個展は覚悟と労力が必要ですが、
その分大きな自信と実績につながるもの。
一定の経験を積んだら、ぜひ挑戦してみたいステージです。
【補足】両方を活かす戦略もある
例えば、
- 春:グループ展で新作お披露目+反応を得る
- 秋:反応の良かったシリーズで個展開催
といった二段階構成で、より効果的に作品を広めるという方法もあります。
まとめ
**個展とグループ展の違いは「自由度と責任の重さ」**です。
どちらにも魅力と課題があるため、自分の現在地と目指す方向を見据えて選びましょう。
