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こんにちは、ペン画家として活動している安藤光です。
今回は「画力以外に画家に必要な要素」について、自身の経験も交えながら解説していきます。
はじめに:なぜ画力以外が重要なのか?
絵を描く力=「画力」は、画家として活動する上での前提条件です。
しかし、いくら絵が上手くても、
活動を続けられなかったり、
作品が世に出なかったりすれば画家として成立しません。
私自身、活動を始めた頃は「絵を描くだけで評価されたい」と思っていました。
ですが十数年経った今振り返ると、継続力や販売力、スケジュール管理や好奇心といった
「画力以外の力」こそが画家として活動を長く続けるための要素 だったと実感しています。
以下では、4つの具体的な要素を紹介します。
① 継続して作品を制作できる力

続けられる人が最終的に残る
画家は一度の展覧会で大きな成功を収めることは稀です。
作品が評価されるのは1年後かもしれませんし、10年後かもしれません。
私自身、活動を始めた当初は多くのライバルがいましたが、数年経つと徐々に描かなくなる人も増え、結果的に残ったのは「描き続けた人」でした。
つまり「継続して描けること」そのものが、画家としての素質なのです。
継続のための具体的な工夫
- 発表の場を設定する:公募展やSNSに定期的に投稿することで「締切」が生まれる。
- ルーティン化する:朝30分だけ必ず描く、夜寝る前にスケッチをするなど習慣にする。
- 目標を細分化する:「今年は50枚描く」ではなく「1週間で1枚仕上げる」と小さな達成感を積み重ねる。
② 作品を売る力(販売スキル)
「売ること」と「描くこと」は別のスキル
「芸術はお金じゃない」という考えは根強いですが、
現実には活動資金がなければ継続できません。
画家は作品制作と同時に、販売スキルを磨く必要があります。
売るために必要な具体的スキル
- マーケットを理解する:どんな価格帯の作品がどこで売れているのか調べる。
- 販売チャネルを持つ:ギャラリー・オンラインショップ・SNSなど複数の経路を確保。
- コミュニケーション力:購入希望者との会話や展示会場での接客が信頼につながる。
- 会計知識:一定以上売れるようになると確定申告や経費管理も必須。
私はこれまで100枚以上の作品を販売してきましたが、
実感として「高級腕時計やジュエリーの販売」と似ています。
単に「良いものだから売れる」ではなく、
相手が納得できる情報提供や関係性作りが欠かせません。
関連記事:【画家向け】絵の値段の決め方|適正価格と売れるための戦略
③ スケジュール管理力

画家は「締切」との戦い
展覧会に出す場合、搬入日が「締切」です。
個展を開く場合にはさらにDM作成や宣伝、作品の額装準備など、複数のタスクが同時進行します。
スケジュール管理ができないと、
- 搬入に間に合わない
- 関係者に迷惑をかける
- 信用を失う
といった問題につながります。
実践的な管理方法
- 逆算スケジュールを組む:搬入日から逆算して制作・額装・発送日をカレンダーに記入。
- タスクを細分化する:「作品制作」ではなく「下描き→ペン入れ→仕上げ→額装」と分解。
- デジタルツールを活用:GoogleカレンダーやTrelloなど無料ツールで見える化する。
画家も社会人としての信用を大切にしなければなりません。
④ 旺盛な好奇心・探求心

感性を磨き続ける力
どんなに技術があっても、描きたいものがなければ作品は生まれません。
そのためには「新しい刺激」に積極的に触れることが必要です。
好奇心を育てる方法
- 異分野に触れる:音楽・建築・科学・文学など、他ジャンルの体験が作品の着想につながる。
- 流行を観察する:時代の変化にアンテナを張ることで「今」の感性を更新できる。
- 画材研究を続ける:新しい画材や技法を試すことで表現の幅が広がる。
私自身、日々の生活の中で「偶然見た風景」や「ネットで見つけた新しい表現」に触れることで、無意識のうちに作品の方向性が更新されていく感覚があります。
年を取ると時代の変化についていけないとよく言いますが、
その「時代」の流行に積極的に触れることで
「今」が分かり「感性」を維持・磨くことにも繋がります。
その結果、自分の表現の幅も広がります。
これも好奇心がないと流行を追おうとしないのでそんな画家は
「感性」がアップデートされず「古い」表現以上のものを出力できなくなります。(自戒を込めて)
補足:SNS発信と人脈形成の重要性
近年の画家活動に欠かせないのが 情報発信 と 人とのつながり です。
- SNS発信:作品を記録・公開することでポートフォリオの代わりになる。海外のコレクターに見てもらえる可能性もある。
- 人脈形成:ギャラリーオーナー、同業の画家、コレクターとの関係が活動を広げるきっかけになる。
これは「運」に見える部分もありますが、行動を重ねることで必然的にチャンスが増えていきます。
おわりに:行動することで道が開ける
今回は「画力以外の画家に必要な要素」として、
- 継続力
- 販売スキル
- スケジュール管理
- 好奇心・探求心
を紹介しました。
もし「今のままでいいのか」と悩んでいるなら、まずは小さな一歩を踏み出してみてください。
ネットで調べるだけでも新しい道筋が見えることがあります。
私も最初から全てできたわけではなく、試行錯誤の連続でした。
行動すれば意外と道は拓けるものです。
あなたの挑戦を応援しています。共に後悔しない人生を歩んでいきましょう。
関連記事:絵を売る×芸術は両立するか?
ではまた!