【アーティスト活動】企画展に出れるようになるために

こんにちは!ペン画家として活動している安藤光です。
今回は参加する展覧会を厳選していく、それはなぜ?選び方、アプローチの仕方など
活動しはじめて間もない方~活動して2・3年の方
展覧会にお金を払って参加している方向けの記事です。

【関連記事】
【初めてのグループ展】メリット・デメリット・選ぶ基準とは

参加する展覧会を選ぶということ

活動を続けていくと「有料で展覧会に参加しませんか」という
お誘いがメールやSNSのメッセージでたくさん来ますし、
ネット上で募集しているグループ展(有料)が意外とたくさんのがわかります。

活動し始めの頃はそういったグループ展にがむしゃらに参加していましたが、
当然そう簡単に絵は売れず・・毎回赤字でした。
毎月のように展示に参加して1年、2年過ぎていったとき、
「毎回参加費がかかるグループ展に出していたら破産する」ということに気づきます(笑)

ギャラリーには貸しと企画の2種類の形態があり、展覧会にも貸し・企画形態があり、自分が出ていたのは作家側がお金を払って展示する「貸し」の展覧会だったのだと。

関連記事:展覧会のお誘いメールが来たら【作家向け】

そもそも「企画展」って何?

まず最初に、「企画展」とは、貸しスペースとしてのギャラリーで開催する有料のグループ展や個展とは異なり、
ギャラリー側が主体となって作家を選び、展示を企画するギャラリー(企画画廊やコマーシャルギャラリーと言います)のことです。
いくら企画展と書いてあっても作家から参加費を徴収するタイプは企画展とは言いません。
ギャラリーが勝手に表記しているだけです

特徴としては:

・出展料は無料(もしくはかなり安価)

・ギャラリーが販売・広報を手がける

・キュレーションの視点で作家を選ぶ

・「この作家を推す」というメッセージ性がある

つまり、出られるかどうかはギャラリーに選ばれるかどうか。
逆に言えば、企画画廊で展示できるということは、
ある意味で「推される作家」になった証でもあります。

私も個展を十数回開催してきましたが、
初個展から現在に至るまですべて企画での個展(場所代は無料)でした。
近年はグループ展もほとんど企画展しか出ていません。

【こちらの記事参照】
貸し画廊と企画画廊の違いについて

どうやってギャラリーの企画展に出る?

どうやって企画ギャラリーに自分を知って選んでもらうか?
ギャラリーにポートフォリオを持っていき直接営業する方法ももちろんありますが、

私の場合は、
その企画ギャラリーが開催する公募展に出品して実物を見てもらう。
そのうえ在廊やレセプションパーティーに顔を出し、自分の顔と作品を覚えてもらうこと。
ということをやってきました。

もちろん良い作品を作り続けていくことが大前提です。
今はSNSがあるので無理に営業せずとも良い作品を追求し続けていけば声をかけてもらえるかもしれません。が待ってるだけより自分が動くことが企画展出展への近道ではあります。
※待ちの姿勢でうまくいくほど甘くはありません

企画展に出るための3つのルート

① ギャラリストに“見初められる”

一番の王道です。SNS・展覧会・ポートフォリオなどで作品を継続的に発表している中で、ギャラリストの目に止まり、「展示してみませんか?」と声がかかるパターン。
私もほとんどはこのパターンです。

これは偶然のようでいて、実は継続的な露出と発信の結果として生まれる“必然”でもあります。

重要なのは「声をかけたいと思わせる空気感」。
技術だけではなく、世界観・ストーリー・持続力など総合的な印象で選ばれます。

② コンペ・アートフェアで注目される

VOCA展、アートアワードトーキョー、UNKNOWN ASIA、Independent Tokyoなどの審査付きイベントでは、ギャラリー関係者が発掘の目を光らせています。

コンペは入賞がすべてではありません。**「展示での存在感」「審査員からのコメント」**も重要な判断材料となります。

◆私もかつて公募展の受賞特典で銀座での個展が叶ったのでした。
私の場合、企画展を狙うなら企画画廊のコンペに出しまくってアピールするルートを取ってきました。

③ 自ら売り込む(正面突破)

直接ポートフォリオを持ち込み、ギャラリーにアプローチする方法です。
ただしこれは、相手の方向性にきちんと合致した提案でないと即却下されます。

ほかの展示会の交流会やレセプションパーティにマメに顔をだし、
ギャラリーオーナーやスタッフとの信頼を得てから
ポートフォリオを見てもらうほうが失礼がないかもしれません。

実際それで大手ギャラリーからデビューした売れっ子作家もいます。
そういう地道な努力が必要。ということでもあります。

もう一つはギャラリーが作家を探していてポートフォリオを募集しているパターン
メールなどでファイルを送ることもあります。
ただ募集を待ってばかりもいられないので見つけたらラッキー程度。
いつでも送れるように準備だけはしておきましょう。

企画ギャラリーの見分け方

そもそもどうやって企画ギャラリーを探すのか?

・ホームページをチェック
大体のギャラリーはホームページがあります。
そこで「取り扱い作家」、「artist」、などのメニュー項目があり、
作家や作品を紹介するページがあります。
作家の紹介ページがあればそのほとんどは企画ギャラリーです。
・展覧会の募集頻度
そのほかには有料グループ展の募集を毎週のようにしていないところです。
企画ギャラリーは毎週開催している展覧会は「企画」の展覧会なので
不特定多数の作家に向けた展覧会募集は滅多にしません(全くしないところもあります)

自分に合った企画ギャラリー・展覧会の探し方

企画ギャラリーはオーナーの好みが色濃く反映されます。
ホームページの作家欄や公募展の過去の受賞者、グループ展参加作家およびその作品を見ていくと
そのギャラリーの特色がわかってきます。

美人画をメインに扱うギャラリーに抽象画を出品してもなかなか評価してもらえないでしょうし、
企画展を開催するなら美人画などの人物画を描いている作家にお声がかかるでしょう。
そのように自分の作風に合った、それを好んでくれるオーナーに出会うことが大切です。
そのために例えば同ジャンルの先輩作家はどんな企画展やギャラリーに出ているか調べたり、
グループ展などで一緒になった作家に話を聞くのも良いでしょう。

良さそうな企画ギャラリーを見つけたら
そこで展覧会を募集してないかチェックしましょう。

展覧会募集してる場合

なるべく参加して作品と顔を覚えてもらい、
会場で在廊し、売れ行きどんな絵、サイズ、価格帯が売れていくのか
市場調査も大切です。

募集してない場合

・スペースレンタルできるのなら個展や二人展などを実際に借りてやってみる。→実績を残す、やる気を見せる(売り上げに貢献する、マメに在廊接客する等)
・どうやったら企画展に出れるか直接聞くのも手段の1つでしょう。


逆に企画の展覧会というのは
ギャラリー側からのオファーがあって
場所代はかからず作品の売り上げから手数料が引かれる形式です。
売れなければギャラリー側の収入は0で、
オファーする側がリスクを負っているのがわかります。
それだけ自分の作品に賭けてくれている・期待されているということでもあります。
自分でお金を払って誰でも出れる展覧会に出ては毎回赤字、ではなく
自分に期待してくれるギャラリーと一緒に展覧会が出来たら
どんなにいいかと考えるようになりました。

ギャラリストは何を見ている?

企画ギャラリーは慈善事業ではありません。展示は“投資”です。
作家を選ぶとき、以下のようなポイントを見ているようです。(画商さんに聞いてみました)

● 世界観に一貫性があるか

単発で良い作品があるよりも、「この人の作品はこういう芯がある」と感じられる統一感が重視されます。

● 今後の伸びしろを感じるか

売上実績よりも「この作家は今後伸びそう」と思えるかどうか。若手なら特に重要です。

● 自分たちのギャラリーと合うか

ギャラリーにも方針があります。
現代美術を扱う場所に具象の静物画を持ち込んでも、チグハグになります。

● 信頼できる人物か

誠実にやりとりできるか、締め切りを守るか。
人間性は、作品以上に大事になることもあります。

アーティストは社会常識(破天荒だったり)がなかったり、病んで失踪したり、連絡が取れなくなったりしがちです。だからこそ常識があったり、例えばメールの返信が早かったりする作家が信頼されます。
もちろん作風の流行度合、長く制作や活動を続けてくれる見込みのあるということも大事な要素でしょう。

私が10年以上企画個展をしていただいているギャラリーの方が執筆しています。

このようにギャラリー視点の書籍を読むのも
そのギャラリーのことを知れる良い機会でもあります

NGパターンと注意点

×「どこでもいいから展示させてください」

熱意があるようで実は逆効果。「このギャラリーがいい理由」が語れないと説得力ゼロです。

×「作品を見ればわかると思います」

説明責任を放棄している印象。作品に頼りきらず、自分の言葉で語る姿勢が評価されます。

×「とりあえず知り合いを増やそう」

人脈づくりは“結果”であって“目的”ではありません。作品に裏付けがなければただの空回り。

企画展に出れることになったら

企画展に出すことになった場合、
作家側に出来ることは最高の作品を納品することはもちろん、
ギャラリー側は売れなければ収入になりませんから
作家側も「この作家は絵が売れる」という実績を残していかなければなりません。
絵が売れなくても何回かチャンスは貰えるかもしれませんが
売れない作家はいつか見切りを付けられて企画展に呼んでもらえなくなるでしょう。
そうならないようしっかり市場調査をして、
その会場で、自分の作風で「売れる絵」を模索していかなくてはなりません。

【こちらの記事参照】
【画家で生きていく】売り絵と売れる絵の違いとは

もちろん社会人として、
連絡事項はなるべく早く返信
提出物の不備チェック・期日を守る
在廊・接客など
常識的なふるまいは当たり前で「アーティストだから」はギャラリーでも通用しません。
人として取引先の好印象を維持するのも大切です。

「出られること」がゴールじゃない

最後に大事なことを一つ。
企画画廊に出ること自体が目的化してしまうと、本質を見失います。

出展したあと、作家として何を届けたいのか。
どういう方向にキャリアを築きたいのか。

おわりに

企画ギャラリーの企画展覧会に参加するために出来る事をまとめてみました。
貸しギャラリーの有料グループ展はお金さえ払えば作品クオリティに関係なく出れることがほとんどなので、
次のステップに進むための自分をより成長させてくれる展覧会やギャラリーに出会えるよう
マメにホームページをチェックしたり、
会場で一緒になった作家さんに勇気を出して話を聞いてみたり、
リサーチするのも活動のうちですね。

これを見た皆さんが次の一歩を踏み出す一助になれば幸いです。