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こんにちは。ペン画家として活動している安藤光と申します。
今回は「ペン画の技法」と「デッサンとドローイングの違い」について解説します。
正直、絵を始めたばかりの人は「デッサン?ドローイング?ペン画って何が違うの?」と戸惑うことが多いです。画材や技法が多すぎて、何が何やら。
そこで僕は、シンプルかつ明快に、そして芸術の奥深さも感じてもらえるように書きました。芸術の初心者も経験者も、線の世界がちょっとだけ広がるはずです。
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ペン画とは何か?

ペン画とは、その名の通り「ペン」を使って描かれる絵のことです。
インクの黒い線で形を作り、質感や光の陰影も線の密度や太さで表現します。
ペン画の歴史的背景
ペン画はヨーロッパのルネサンス期から存在し、
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロもペンで素描を残しています。
当時は主に鉛筆や木炭も使われていましたが、
ペンのシャープな線は精密な観察を写し取るのに最適でした。
近代に入ると、漫画やイラストの技術発展とともに、
ペン画はコミックや広告、科学的イラストなどにも応用され、
多様な表現が可能になりました。
ペン画の特徴
- 線の強弱が表現の要
ペンは鉛筆と違い、筆圧で濃淡を出すのが難しいため、
線の太さやクロスハッチング(交差線)で陰影を作ります。 - 修正が難しい
インクは基本的に消せません。だからミスは許されない…とはいえ、その「ミス」をどう味に変えるかが、作者の腕の見せどころでもあります。 - 時間と集中力が必須
細かい線を何度も重ねるため、根気と無心の集中が求められます。 - 偶然性と必然性の共存
線の重なりは偶然生まれるパターンもあり、それが作品に独特の味わいを与えます。
ペン画の主な技法
クロスハッチング(交差線)
最も一般的な陰影表現。細い線を縦横に重ねることで濃淡を作ります。密度が高いほど暗く見えます。
この技法は、ペンの強弱で陰影をつけにくい欠点を逆手に取ったもので、緻密な陰影表現が可能です。
点描
点を細かく打つことでグラデーションや陰影を作る技法。地味で手間がかかりますが、繊細な表現ができるため、肖像画や科学イラストにも用いられます。
スクラッチング(引っかき)
ペン先で細かく引っかくような線を入れて、質感や微細な部分を表現します。木や石のざらつきなど、テクスチャーを出したい時に有効。
デッサンとは何か?
定義と目的
デッサンとは、対象物の形や構造、光の当たり具合を「正確に観察し、再現すること」です。
フランス語で「素描」を意味し、芸術の基礎中の基礎。
主に鉛筆や木炭を使い、消しゴムで修正可能な画材が多いです。
デッサンの役割
- 観察力を鍛える
正確な形や比率を捉える能力は、すべての絵画技法の基盤。 - 光と影の理解
影の形状や濃淡を描くことで、立体感のある表現ができるようになる。 - 構造の把握
骨格や筋肉など、対象の構造を理解して描くことで、よりリアルな表現が可能に。
デッサンで使う技法
- 陰影付け
鉛筆の濃淡を使い分けて影を描く。こすってぼかす技法もよく使う。 - 輪郭の正確なトレース
比率やバランスを正しく計測しながら描く。 - 修正の繰り返し
形がおかしければ消して描き直す。完成度を高めるための試行錯誤が当たり前。
ドローイングとは何か?
定義と目的
ドローイングは英語の「drawing」からきており、
線を使った即興的・感覚的な描画を意味します。
日本語で「素描」と訳されることもありますが、デッサンとはニュアンスが違います。
ドローイングは形の正確さよりも「線の勢い」や「感情表現」に重きを置きます。
ドローイングの特徴
- 即興性が高い
短時間でサッと描くことが多く、修正を前提にしない。 - 感覚的・表現的
線の質や強弱で、感情や雰囲気を表現。 - 多彩な画材
鉛筆、ペン、チャコール、パステルなど自由。 - 失敗が味になる
線の迷い、重なりが独自の味わいに。
デッサンとドローイングの決定的な違い

| 項目 | デッサン | ドローイング |
|---|---|---|
| 目的 | 正確な形の再現 | 自由な線の表現 |
| 技法 | 修正を繰り返す | 即興的、修正なしが多い |
| 画材 | 鉛筆、木炭など修正可能なもの | ペン、鉛筆、チャコールなど多彩 |
| 表現 | 観察と再現重視 | 感情と線の勢い重視 |
| 時間 | 時間をかけることが多い | 短時間で描くことが多い |
ペン画はどっちに近いのか?

ペン画はドローイングの一種として捉えるのが一般的です。なぜなら、
- 修正が難しいため、即興的に線を引く必要がある。
- 線の勢いや重なりが味になる。
- 感情や個性が線に反映されやすい。
とはいえ、ペン画の中にも緻密に計画されたデッサン的側面を持つものもあります。
たとえば、建築イラストや科学的図解のペン画は、デッサン的正確さが求められます。
ペン画に役立つデッサン・ドローイングの練習法
7.1 デッサンの練習
- 対象をじっくり観察する
形、比率、光の当たり方を正確に捉える。 - ゆっくり時間をかけて描く
消しゴムで修正を繰り返しながら。 - 陰影を意識する
クロスハッチングやぼかしの感覚がペン画に活きる。
7.2 ドローイングの練習
- 短時間でスケッチ
素早く線を引く練習。迷い線もOK。 - 線の強弱を意識
手首の動きで線の勢いを変えてみる。 - 感情を込める
心の動きを線に出すイメージで。
まとめ:自分の線を探す旅へ
ペン画、デッサン、ドローイングはそれぞれ違うアプローチですが、
全部やってみて初めて自分の表現スタイルが見えてきます。
- デッサンは観察力の基礎固め。
- ドローイングは感性の解放。
- ペン画は技術と感情の融合。
どれかに偏りすぎても面白くない。3つのバランスをとりながら、
自分だけの線を探し続けることが大事です。
おまけ:私の描くペン画


私は福島でペン画を描いています。
万年筆と一色のインクによる偶然できる濃淡で表現しているのが特徴です。
現代社会と人の知覚器官が押し付ける「意味付け」に抗い、
意味のない行為を人類は許容できるか、価値を見出せるのかを問う作品を制作しています。
都内を中心に原画を展示していますので
機会があればお立ち寄りくださいますと励みになります
展覧会告知はこちらに掲載しています。
偶然できる線の重なりが必然のように作品に魂を宿す。
その感覚はペン画ならではのもの。もしアナタも創作に行き詰まっているなら、
ぜひペン画に挑戦してみてください。新しい世界が見えてくるかも。



