有料の展覧会の勧誘されたら【断り方】の例文あり

最近xfolioというものを初めて見ました
イラストを公開している方がたくさんいるpixivのようなポートフォリオサイトです。

そこでよく展示の告知や履歴などを見かけます。
ただ評判がいまいちなギャラリーで有料のグループ展や個展をしている方が目立ちます。

展示してもらえるなら有料なのが当たり前と思っていませんか?

絵画・イラストを描いている方に時々SNSやメールに届く
「出展料〇〇円で展覧会に出ませんか?」という勧誘。

他にも
「海外の美術館・アートフェアに展示してみませんか?」
「雑誌の1ページに掲載してみませんか?」
「YouTubeのチャンネルであなたの作品を紹介します」
「オンラインショップであなたの作品を掲載させてください」
など
昔から活動歴があまりない新人絵描き向けに勧誘が
メール、最近ではSNSなどのメッセージで良くあります。

「まさか自分の絵が展覧会に飾られるなんて!」
「海外のあの有名美術館に飾られるなんて」
「無名の私に声をかけてくれるなんて」
「ギャラリーの方にSNSを見てもらえて自分の絵が評価されている?!」
「あなたの作品は素晴らしい、是非個展を開いてみませんか?」
と舞い上がってしまう気持ちはわかります。

でも出展するだけで活動の黒歴史になってしまう
評判の悪いギャラリーや団体がいくつかあります。

ギャラリーからの勧誘メールにご注意

〇〇様
突然のDMでのご連絡失礼致します。
私、〇〇〇にあるギャラリー〇〇〇←アルファベット三文字が多い(笑)
でスタッフをしております、〇〇と申します。

この度は来年の〇〇年〇月〇日~〇月〇日に開催予定の
グループ展にご参加いただきたくご連絡させていただきました。』

イラストや絵を描いている方にこんなメールやメッセージが良くとどきます。

もしこれが出展料は〇〇円という「有料」の展覧会なら返事をする前に
一度調べるなり誰かに相談するなり考えてほしいです。
ちなみに最初のメールでは料金の明記が無い悪質な場合もあります。

個展や展覧会と聞くとあの有名イラストレーターがやってるやつ!と思うかもしれません。
それが自分にメッセージが来たらそりゃ嬉しいし舞い上がってしまうのも十分わかります。

そこで「参加します!」と返事をする前にいったん落ち着いて考えてほしいです。

展覧会の勧誘・オファーとは?

(有料の)展覧会への勧誘・オファーとは
展覧会を企画している企画者、ギャラリー、団体、企業から
「あなたのイラスト・作品を展示しませんか?(ただし有料で)」
というお誘いの事を指します。

ほとんどが複数の作家さんと一緒に展示する「グループ展」方式だと思います
(まれに個展のお誘いもあります)

このメッセージは残念ながらあなたの作品を評価してのお誘いではありません
ギャラリーや団体の「営業」の意味合いが強いです。
手あたり次第声をかけて「出展料」で儲けるギャラリーや団体である可能性が高いです。

でも無料で展示させてくれるギャラリーなんてあるの?
ギャラリー経営する上で展示する側がお金を払って(儲けて)当たり前じゃないの?

と思うかもしれません。
無料で展示できるところもあります!
というか私はもう17回以上個展を東京で開催しています。
しかし場所代を払っての個展は一切していません。

展覧会の種類

世の中の展覧会には種類があります。
個展、グループ展、企画展、公募展など・・・

個展・・・一人の作品のみで構成される展覧会
グループ展・・・複数の作家・作品で構成される展覧会

公募展・・・不特定多数の作家や作品を集めて開催する展覧会・審査があるグループ展
企画展・・・ギャラリーが選ぶ作家の展覧会、場所代は無料なのがほとんど。個展・グループ展形式がある

ギャラリーによっては企画展という言葉を使って有料のグループ展の勧誘を行うことがあります。
非常にややこしいのですがお誘いが来るタイプのものは企業や個人が「企画」した展覧会であって
アート業界の「企画展」ではないことがほとんどです。
業界での「企画展」というのはこちらがお金を払うものではありません。
売り上げから手数料として払います。
こちらがお金を払う展覧会は厳密には「企画展」ではないのです。

有料の展覧会はお金さえ出せばだれでも展示できますが
企画展は企画者に選ばれないと展示できないということです。

関連記事:【アーティスト活動】企画展に出れるようになるために

冒頭でも言っているように展示してもらえるなら有料なのが当たり前と思っていませんか?

必ずしも有料の展覧会=詐欺や悪質 というわけではありません。
ただし慎重に検討する必要があります。

趣味で絵を描いてて赤字になっても展示してみたいということなら別に良いと思いますが
今後も長く展示活動を続けていきたい、赤字を脱したいと思うなら
「企画展」を目指すのがオススメです。そのために有料のグループ展に展示するならよいでしょう。
しかし向こうから勧誘や連絡が来るギャラリーや展覧会は要注意です。

返事をする前に検討してほしい内容

展覧会のお誘いが来た時はつい嬉しくなり舞い上がってしまうと思いますが
一旦冷静になって即決はしないようにしてください。

そこでお金を払って展示をして自分にメリットがあるのかよく検討してください。

悪質か判断するポイント

・そもそも詐欺ではないか?

送られてきたメール内容から実在する企業・団体で本当に展覧会を開催しているのか?
はじめて送られてきたメール内容ではなかなか判断できないとは思います。
ではどう判断するか

基本的には文末に企業名・ギャラリー名・住所・連絡先・担当者名が記載されているかどうか
記載されている場合は企業名、ギャラリー名で検索して実在するかどうか調べます。

・法外な出展料じゃないか?

海外展でたまに1点の展示で数十万の出展料がかかるものもあり、相場がわかってないと判断が出来ません。
経験上大体1点の出展料3万前後です。ただこれもただ展示するだけ・本当に展示されているか分からないというデメリットがあり有料での海外展はオススメしません。
本当に評価されてオファーが来るならお金を取って展示なんてしないからです。(相手が全額負担)

・ギャラリー名で検索する

これが実は一番返事をする前にやってほしいことです。
検索する際ギャラリー名の候補で「ギャラリー名 評判」とか「ギャラリー 断り方」で出てくるのはやめといたほうが無難です。普通の企業でそんな候補がでてくることはあまりないからです。
実際検索してみると勧誘についての相談がちらほら出てきたりします。
ということは皆、怪しんではいるということ。

こんな感じでしょうか。
どんなことにも言える事ですが周りに相談するのも大事です。
もし周りにいないのならSNSなどで実績のある画家活動している人に聞いてみるのもアリです。
わたしにも相談や問い合わせが来ます。

ギャラリー勧誘の断り方

一度勧誘されたギャラリーに参加してしまうと年に数回の勧誘メールが永続的に届きます。
私も(ずっと無視していますが)10年以上来ています。

そんな展覧会の勧誘の断り方ですが
例えば・・・

例文①

『展示のご案内ありがとうございます。
折角のお誘いですが
今年はすでにスケジュールが埋まっておりますので見送らせていただきます。
誠に申し訳ございません
よろしくお願いします。』

例文②

『はじめまして
折角のご案内ですが
現在参加費がかかる展示会やイベントは全てお断りしております
ご了承下さいませ』

SNSのメッセージにくる勧誘はこんな感じで返事しています。
「またの機会がございましたら是非お声かけ掛け頂ければ幸いです」などもいりません。
二度と声をかけてこないでほしいので。

また同じところから勧誘があってもスケジュールが合わない、有料展示はすべてお断りで毎回断れます。是非参考にしてみてください。

おわりに

出展しませんかとメールが来れば一見大チャンス!と思えるかもしれませんが
実際はチャンスにつながることはほとんどありません。

展覧会はお金を払って誰かにやってもらっているようではなかなか次に繋がりません。

実はそういう勧誘するギャラリーは評判が悪く、他の「まともなギャラリーや作家」から嫌われていることが多いので経歴に載せると内心呆れられる可能性もあり作家活動の汚点となってしまいます。

誘われたから展示するのではなく
自分で仕切って自分で催すものです。そういう「やる気」も業界の方は見ています。

展覧会の勧誘が来たらいったん落ち着いて慎重に検討してみようという話でした。

ではまた!