【画家の仕事】作品リストの作り方【作る意味とは】

こんにちは!全国でペン画を展示・販売して10年以上活動しています安藤光と申します。
今回は【画家の仕事】作品リストの作り方【作る意味とは】
というテーマでお話ししていこうと思います。
自分の作ったものの管理も重要な仕事の一部です。
一覧にすることで、これから本格的に画家として活動していく人は、
「今までつくった作品が数個しかない」「展示経歴などが少ない…」など、
整理しやすいうちに始めていきましょう。

〈関連記事〉
作品が仕上がったらやること【画家志望必見】

作品をリスト化するメリット

実は全作品のリストを作っている人は少ないと思います。
というのは皆PCへのデータ打ち込みが億劫だからです。
(私もそうでした・・・今もそう)
しかし今まで作って活動してきたことをリスト化するといろいろなことが見えてきます。
活動してから10数年たってしまいましたが
私もリストを作っておこうと思い今回記事を書いてみました。

・展覧会、レジデンスなどが提出を求める情報をすぐ抜粋できる。

最近、展示会の際にギャラリーに出品作品のタイトルやサイズ、価格といった情報を提出することが多くなってきました。
あらかじめ作品の情報をまとめたものがあると提出までがスムーズです。

・全作品を客観視することで自分の活動を俯瞰できる。

全作品を一覧で見る事で客観視でき、これまでの作品の変化や作品の質を比べる事が出来ます。
ポートフォリオを作る際にもどの作品を抜粋するか一覧で観る事で選びやすくなります。

作品リストの作り方

それでは作品リストの作り方を解説していきます。
項目は以下のようにしました

・通し番号
・タイトル
・作品画像
・制作年
・素材
・作品サイズ(縦×横mm)
・額外寸(縦×横×厚mm)
・額価格
・価格(税込・額込)
・販売状況
・展示履歴
・所蔵場所
・備考

タイトル・画像

作品のタイトルについて
私の場合、作品のタイトルはほとんど「無題」でその後に完成した年月日+連番を振っているのですが、何番がどの作品かというのが、結構管理が大変です。
今後何百点もの作品にタイトルを付けるのは大変ですが、違ったタイトルにすることで画像がなくてもイメージし易いですし作品を一覧にしてみたときに、自分を見返すという意味でもそれぞれちゃんとタイトルを付けることをオススメします。

といっても制作を続けていると作品をタイトルだけでは管理しきれなくなる時が来ますので、
画像も一緒に掲載しておくと、第三者に提出の際も、自分自身にもわかりやすいですね。

制作年

制作年は実は重要で、
客観的に作品がどう変わっていったかを考察できるからです。
今後ギャラリーや美術館と関わって仕事をしていく時に大切なデータになります。
公募展などの規定でも過去2年以内に制作した作品のみ出品可能といった条件もありますので
把握しておくのはとても重要です。

素材・作品サイズ・外寸

画像だけではサイズや素材は判別できないことが多いです。
公募展などの展覧会で作品のサイズや額を含む外寸の指定があったりもします。
過去に自分がどんな材料を使っていたかの記録にもなりますのでマメに記録しておきましょう。

価格(額装価格)

私は額装にかかった費用を書いていますが、
パネルの場合は額無しの価格、額装済みの場合は額込みの価格を税込みで書いていきます。
展覧会の際にギャラリーが用意する出品リストのフォーマットによっては「額代」「額無し」「額込み」など作品状態によって記載する項目がありますので一覧にしておくと仕事もスムーズです。
年末の棚卸の際にも額代が別にしてあると在庫価格を算出しやすいです。
ちなみに税込み価格は
例えば30,000円とするよりも33,000円とした方が会計する側の税金計算が楽になりますので。
税込みピッタリ価格よりも税金分上乗せのほうがギャラリー側からも好まれますし自分も管理するのが楽です。

備考欄でもいいですが
値段は変動することがあるのでとにかく記録を残すために値段を決めた年も書きます。
例えば・・・¥20,000(2012)
その値段はいつの時点のものか、いつ値段を変更したか、ギャラリーとの配分はどうしたのかといったことを記載します。

販売状況

販売記録、寄贈や廃棄などを年月日と一緒に記載しています。

所蔵場所

作品は今どこにあるのか。これは結構重要なことだです。作者蔵なのか、人手に渡っているのか。 ギャラリーに預けてあるのか、といったことを記載します。
記録しておかないとなにも履歴や証明するものが残らない場合が多いので忘れる前に記録しておきましょう

展示履歴

公募展や展示会への出品記録です。
公募展では未発表作品でなければならないといったものが多いので、記録しておきます。
作家としての展示歴は記録している方は多いですが作品ごとの展示歴を記録している人は少ないです。
しかしながらとても重要なデータになります
作品に興味がある方やギャラリストから、この作品が今までどこで展示したか全部教えて欲しいと言われることもあります。

備考

コンセプト(キーワードも可)や価格変動の履歴などメモ代わりとして使います。




以上作品リストの項目を解説しました。

フォーマットは本人が使いやすく汎用性があるものがいいいと思います。
私はExcelで作っていますが基本的に本人しか見ないもののため、
ご自身が一番使いやすいソフトで制作するのがいいかと思います。

まとめ-活動記録は重要

画家活動するにあたって過去に何を作ってどう活動してきたかの記録はとても重要です。
作品や商品の整理と管理ができているかどうかは、信用問題と仕事の効率化に繋がります。

作品リスト以外にも作家としての展示歴ポートフォリオ、顧客リスト(住所録)などなど
記録しておくものや用意する資料は意外といっぱいあって画家の仕事は制作だけじゃありません。

過去の活動は記録をしないと第三者には見えませんから
作家として長く活動していくなら活動記録はしっかりと残していきましょう。

それではまた!