こんにちは
細密ペン画を10年ほど描いている安藤光といいます。
10年ほどといっても美大を卒業しているわけでもなく
画力はほとんどありませんので具象モチーフは描けません。
あまり参考にはならないかもしれませんが、
私が使ってる画材とその変遷について書いていこうと思います。
【関連記事】
活動開始時に使用していた画材
私は活動当初、1本200円ほどの市販のボールペン(ハイテックC)で線画や着彩をして制作していました。

現在は万年筆を使っています。
なぜ万年筆に変えたのか
それまで使っていたボールペンは0.25mmで数あるボールペンの中でも細い線が描けることで有名でした。
私のそれまで使用するペンの条件が
・極細線が引ける
・描き続けていると勝手に擦れ濃淡が生まれる
・安い
でした。
それに加え業界最多の色数だったこともあり、
理想の画材に巡り合えたと4年くらい愛用していました。
そんな時とあるイベントで画商さんに
「ボールペンだと10年もすれば線が消えてなくなるよ」と言われます。
たしかに絵の具を使った絵画作品と比べて
値段を安くつけられる傾向があると感じていましたし、お金をいただく以上は耐久性は責任問題にもなります。
高額な代金を支払ったのに飾っていたらだんだん色褪せてきた・・のでは買った立場からするとがっかりです。
(紫外線に当たっていればどんなものでも色褪せてはきますが)
独自に調べ実験したところ今まで使っていたボールペンは水に溶けやすく(水溶性)
直射日光(紫外線)に当たると退色しやすい(耐光性低)ようでした。
↑当時こちらの記事が大変参考になりました。
インクの種類

そもそもボールペンや付けペン、万年筆に使うインクの種類として
染料インク
顔料インクがあります。
染料インク
色成分に染料が使われていて、水に溶ける性質を持っています。
現在、ボールペンや万年筆用インクの多くは染料インクです。
家庭用のインクジェットプリンタにも使われています。
水に弱いため濡れると文字がにじみやすく、
また光によって退色(色あせ)しやすい性質があります。
様々な色が作れるためバリエーションは多いのが特徴です。
顔料インク
水に溶けない性質を持つ顔料を使用したインクです
染料に比べて耐水性・耐光性に優れています。
また染料インクよりもはっきりとした筆跡となり、にじみにくく、裏抜けもしにくい性質です。
大手メーカー主力のゲルインクボールペンも顔料インクになってきています。
最近は万年筆用の顔料インクも増えてきました。
顔料インクのほうが耐久性があることになります。
絵の具も顔料が使われていて何十年も色味を維持しています。
主な顔料インクボールペン
大手メーカーが販売している耐光性がある顔料インクボールペン
・シグノ0.28(三菱鉛筆)
三菱鉛筆 ゲルボールペン ユニボール シグノ超極細 0.28 黒 UM15128.24 【amazonリンク】
・サラサクリップ0.5(ゼブラ)【amazonリンク】
ゼブラ サラサクリップ 0.3mm 全20色セット JJH15 + ロコネコ試筆カード 【amazonリンク】
・ジュース0.38(パイロット)
パイロット ジュース ゲルインク ボールペン 0.38mm 12色セット (LJU120UF-12C) 【amazonリンク】
・ジュースUP0.3(パイロット)
パイロット ゲルボールペン ジュースアップ 0.3 10色 LJP200S3-10C 【amazonリンク】
しかしどれも線が太く線が擦れにくく濃淡が出ない仕様でした。
ボールペンの機能として擦れにくい、線がはっきり見えるのは良品ですが、
私が画材として求めているものには当てはまりませんでした。
そこで線画と着彩を別々の画材で分けて描くことを考えます。
様々な線を描くペン

いろいろなペンを試しました
付けペン(丸ペン):ペン先を変えられるのでコスパは良い、濃淡が出る、細い線が引ける、マメにインクを付けなくてはいけない、ペン先の向きや傾きが決まっている
ミリペン:極細、インクの種類が少ない、顔料、意図なく擦れない、筆圧でペン先が摩耗する、耐光性・耐水性あり
ガラスペン:付けペンより長時間筆記出来て濃淡も出る、顔料インクが使える、手軽に色を変えられる、ペン先が摩耗すると割れて使用不可になる
鉄筆:下地がないと書けない、描いてるうちに手でこすれ線が消えていく(下地による)、色を塗る際に滲む、経年変化で線の色が変わっていく
万年筆:ペン先の向き、傾きによって濃淡が出る、長時間連続して書いていられる、マメな手入れが必要、日本製はより細い線が引ける
ローラーボール:万年筆用インクが使えるボールペン、線が太い、擦れない=濃淡が出ない
アクリルマーカー:耐水性、耐光性は十分だが極太、濃淡が出ない、高額
シャープペンシル:ノックしなくても長時間連続して書ける(オレンズネロなど)、単色、手で擦れて消える、インクで塗ると黒鉛が流れる
ほかにも烏口ペン、竹ペン(割りばしペン)、ロットリングイソグラフ
などなど・・・
現在使っているペンは・・・
現在使っているのは
線を描くには顔料インクが使えて長時間筆記でき、
左利きがゆえにペン先の傾きや向きの条件が悪く擦れるために濃淡が出る万年筆、
色を塗るには顔料インクのボールペンやガラスペンを使っています。


万年筆も数百円から数十万まで価格幅がありますし海外製のもあります
まず細さを求めるなら日本製の「極細」一択です。
同じ極細でも海外製はおもにアルファベットを書く前提
日本製は画数の多い漢字を書く前提でより細く書けるよう作られています。
これはガラスペンも一緒でデパートや雑貨店などで売ってる海外製のものより
国内の職人が作ったものが細くなります。
国内の3大万年筆メーカー
使用万年筆
主に上記メーカー製の1万円~2.5万円の万年筆を使っています。
特にパイロット社製
カスタム74 極細 をメインで使っています
当時は極細は1万円~しかありませんでした
もちろんその後発売した数千円の極細万年筆も買ってみましたが
比べ物にならないほど線が太かったので
1万円(金ペン)以上しか買わなくなりました。
コスパもよく一番最初の一本にオススメです。
2024年現在はメーカーの価格改定により
金ペンの万年筆は2万円~となってしまいました
使用ガラスペン
ガラスペン(日本製)も同じく数千円のも使ってみましたが
すぐ摩耗し線が太くなりペン先が割れて使えなくなりました。
ビーカーなどに使用されている
硬質ガラスを使用したものが一番長持ちしています。
ガラスペンは差替え式
とガラス一本型を使い分けています
こうして 今では耐久性を意識して顔料インクを使うようになりました。
作品が出来上がったら・・・
作品を描き終えたら
画面を保護する耐UVスプレーも使っています。
↑水彩画やインクジェット出力紙の退色を抑えるスプレーです(艶ありもあります)
注意点は作品面をアクリル板と直接接触しないようマット紙を入れることでしょうか
ニス自体の成分としてアクリル樹脂が含まれているものがあり、
アクリル同士は同化作用によって1つになろうとしますので長年接触していると画面がアクリル板から剥がれなくなる恐れがあります。
←スプレーしていなくてもアクリル絵の具でも同じことが起こります。
おわりに
いかがでしたでしょうか
私は耐久性も視野に入れそれまで使っていた画材を変えたという話でした。
世の中には様々な画材があります。
たまには同じ画材で別のモチーフやモチーフは同じでも別の技法で制作とかも上達の一歩かもしれませんね。
いろいろな画材を使った分だけ表現の幅は広がり経験値は貯まっていきますので余裕があれば挑戦してみましょう。
ではまた!