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こんにちは!ペン画家の安藤光です。
今回は絵画のサイズについて解説していこうと思います。
展覧会でキャプションなどを見ていると「F0号」とかアルファベットと数字が並んでいる表記があります。
これはキャンバスやパネルの規格サイズを表すものでこれを「号数」と呼びます。
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絵画サイズの基本:アルファベットの意味
F0号のF部分は絵画のサイズの短辺を表します。
FのほかにP/M/Sの4種類があるのですが
それぞれ
F-人物(Figure)
P-風景(Paysage)
M-海景(Marine)
S-正方形(Square)
これらは西洋絵画の美しく見える比率となっており長辺の値によって変化します。
元々は人物画を美しく見せる比率や風景を美しく見せる比率ということになっていますが
人物を描くから絶対「F」を使わなければならないということではありません。


絵画サイズの基本:数字の意味
号数の数字は長辺を示しています。
号数には一定の長辺が設定されていてF・P・M・S号共通の長辺になります。

号数一覧表

表を見るとアルファベット関係なく長辺は号数で決まることが分かります。
SMだけは固定のサイズでFやPなどアルファベットは付きませんが
S SM(スクエア サムホール)正方形のサムホール、
W SM(ダブル サムホール)SMを二枚つなげたサイズ
などがあります。
飾る部屋別のおすすめサイズと形
1. リビング(広さ目安:8畳以上)
✅ おすすめ:F8〜F20号、P10〜P20号
リビングは人が集まり、視線も集まる中心的空間。やや大きめの作品を選ぶことで、アートが空間の“主役”になります。
- F号:人物や静物画で落ち着いた雰囲気に
- P号:風景や抽象の横構図は空間を広く見せる
特に観賞距離が1.5m以上取れるなら、10号以上のサイズが見栄えします。ソファやテレビの背面に飾るなら、F15〜20号程度が堂々としておすすめ。
2. 玄関・廊下(狭くて縦長な空間)
✅ おすすめ:F4〜F6号、M4〜M6号
玄関や廊下は、絵を飾るスペースが限られています。小さめで縦長な作品を選ぶと、スッと壁に収まりつつも、印象的に仕上がります。
- M号:縦長構図で視線を引き上げ、奥行き演出に効果大
- F号:安定した四角形で、小スペースにも収まりやすい
玄関は家の“顔”でもあるため、小さくても印象的な1枚を。廊下の途中に飾れば、視線の導線を変える効果も。
3. 寝室(プライベートで落ち着ける空間)
✅ おすすめ:F4〜F10号
寝室には、あまり主張しすぎない静かな作品が似合います。**視線の高さ(約120cm)**に合わせて、枕元やベッド脇にF4〜F6号を。
- 静物や植物モチーフ
- 優しい筆致の抽象画やペン画
寝室は“目を休める”場所でもあるので、激しすぎない色調や柔らかい線を選ぶと安眠効果も。
4. トイレ・洗面所(狭小空間)
✅ おすすめ:F0〜F3号、M0〜M3号
水回りのような狭いスペースでは、小型で存在感控えめな作品がちょうどいい。M号のような縦型は、省スペースに映えます。
- 小さいけれど視線を誘う
- 額縁はアクリル製や防湿対応のものを
トイレや洗面所にアートがあると、ほんの数分の時間でも気分が変わります。
🎯 絵を飾るときのポイント
1. 壁の「横幅」に対して余裕を持たせる

壁の端から端まで絵を飾ると圧迫感が出ます。
壁幅より3〜4割狭いサイズにすると、ゆとりがありバランスが取れます。
- 例:壁が150cm → 絵は90cm以内に
2. 視線の高さに合わせて中心を配置
人の目線は約120〜140cmが自然。絵の中心がこの高さにくるようにすると、無理なく目が留まります。
- ソファ上:低めの位置でもOK
- 寝室:寝た時の目線を意識すると効果的
3. 家具とのバランスを考える


家具の上に飾るなら、その幅・高さとの比率を意識しましょう。
- ソファの背面 → F10〜20号で「見せる」演出
- チェストの上 → F4〜6号で品よくまとめる
- コンセント上 → 小型F号やM号が絶妙にハマる
4. 滞在時間で「主張レベル」を変える
- 長く過ごす部屋 → 主張のある作品(サイズ大きめ)
- 短時間の空間 → 軽やかでやさしい印象の作品(小さめ)
「生活の中でどれだけその絵を見るか」を想定して、強弱をつけるのがコツです。
5. 構図の向きで空間を演出

- 横構図(P号):部屋を広く見せる効果。視線が左右に流れる
- 縦構図(M号):視線が上に誘導され、空間に高さと奥行きを生む
横長の壁にはP号、縦長スペースにはM号を選ぶと「空間が完成された感」が出やすいです。
🏁 まとめ:空間に合わせた選び方チャート
条件 | おすすめのサイズ・形 |
---|---|
広い部屋にインパクト | F10〜20号/P10〜20号 |
小さめでさりげなく飾りたい | F4〜6号/M0〜3号 |
横に広い壁面に飾りたい | P号(風景構図) |
縦に長いスペースに飾りたい | M号(縦構図) |
飾るのが初めて | F4 or F6(無難で扱いやすい) |
最後までお読みいただきありがとうございました!
飾る絵画選びや制作サイズの参考になれば幸いです。