初心者向けガラスペンおすすめ5選

はじめに|「はじめての一本」は、使いやすさと安心感が鍵

美しい見た目に惹かれて「ガラスペンを使ってみたい」と思っても、いざ選ぼうとすると、その種類の多さに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、これからガラスペンを始めたい方に向けて、
**「書きやすい」「価格が手頃」**といった条件を満たした、
初心者におすすめのガラスペンを5本厳選して紹介します。

また、選ぶときに気をつけたいポイントや、
ガラスペンを長く楽しむための使い方もあわせて解説していきます。

関連記事:ガラスペンの使い方・お手入れ方法を解説

1. HARIO

  • 価格帯:8000円前後
  • 特徴:持ち手がくびれているので、手になじみ、初心者でも扱いやすい
  • 製造元:HARIO(日本・東京)

理化学用耐熱ガラスメーカーとして有名なHARIOが手がけるガラスペン。
職人による一貫生産でありながらも価格が手頃で、初心者にも安心のクオリティを誇ります。

溝が深くインク持ちも良いため、連続筆記がしやすく、最初の一本に最適です。持ち手が滑りにくく、適度な太さも◎。文字書きからイラストまで対応できる万能型。

2. 寺西化学

価格帯:1,000〜3,000円台
製造元:寺西化学工業株式会社(大阪府大阪市)
特徴:初心者でも扱いやすい安定した書き味と、レトロで親しみやすいデザインが魅力。

寺西化学工業は1925年創業の日本の文具メーカー。「マジックインキ」で長年親しまれてきたブランドが手がける《ギター ガラスペン》は、見た目のポップさと実用性を兼ね備えたバランスのよい一本です。

しっかりとした作りで、インクの流れがスムーズ。書き味はやや太めですが、その分、万年筆やサインペンに近い感覚で使えるのが特長です。デザインも、どこか昭和レトロな雰囲気を残しており、インテリア的な魅力もあります。

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寺西化学工業(Teranishi Chemical Industry)

3. 七十二号筆屋

価格帯:3,000〜5,000円台(モデルによっては1万円超もあり)
製造元:七十二号筆屋(神奈川県藤沢市)
特徴:1本ずつ手作業で制作された、繊細な線と滑らかな書き心地が魅力のガラスペン

七十二号筆屋は、工業製品ではなく「作品」としてのガラスペンを手がける工房です。工場での大量生産ではなく、職人が一本ずつ手作業で仕上げており、ペン先の溝の細かさや角度には繊細な個性があります。

4. glass工房まつぼっくり

  • 価格帯:4,000~20,000円前後
  • 特徴:軽くて丈夫、シンプルなデザイン
  • 製造元:glass工房まつぼっくり(日本・神奈川)

多くのモデル(トライアングル/クリスタル以外)は中空ガラス構造で、約8g前後の超軽量モデルもあり、長時間を共にしても疲れにくい設計です。
軸内部に施された模様や気泡、カラーガラスの淡いグラデーションなど、光を受けて美しく輝く見た目が魅力です。例えば「ツブツブ」シリーズでは、眩く反射する粒模様が特徴的で、単なる筆記具を超えた「飾って楽しむ工芸品」としての価値があります

ガラス工房まつぼっくりオンラインショップ

5.菅清風

  • 価格帯:10,000〜15,000円前後
  • 特徴:日本の自然をモチーフにした繊細なデザイン
  • 製造元:菅清風(広島県在住のガラス作家)

雨粒や水面のような透明感あるデザインが魅力です。ペン先の精密さにも定評があり、筆記時のインクフローが滑らか。視覚的な美しさと書きやすさの両立を求める方に最適です。
筆者も長年愛用しています。

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初心者がガラスペンを選ぶ際のポイント

ガラスペンには多様なタイプがあり、目的や好みによって最適な1本は異なります。
初心者の場合は、以下のような点に注目して選ぶと失敗が少なくなります。

▶ ペン先の溝が深めのものを選ぶ

インク持ちがよく、補充の頻度を減らせるため、初めてでもスムーズに使えます。

▶ 軽量かつ軸が太すぎないものを選ぶ

筆記時の手の負担を軽減し、握りやすく疲れにくい設計のものがおすすめです。

▶ シンプルな構造で洗浄しやすいもの

パーツが一体型のタイプは、メンテナンスが楽で長く使いやすくなります。

ガラスペン使用時の注意点|長く使うための基礎知識

繊細な美しさと筆記性能を兼ね備えるガラスペンですが、
素材が「ガラス」である以上、取り扱いには一定の注意が必要です。
以下に、初心者が押さえておきたい基本的な注意点をまとめます。

1. 落下に注意

最も避けたいのは「落とすこと」です。特にペン先は繊細に作られており、少しの衝撃でも欠けたり、割れたりすることがあります。使用時は、ペンレスト(ペン置き)を活用し、机の上に転がらないようにしましょう。

2. インクの種類に注意

染料インクが推奨されており、顔料インクやラメ入りインクは使用を避けるのが無難です。顔料やラメはガラスの溝に詰まりやすく、洗浄しても完全に落としきれない場合があります。
万年筆用の染料インクを選ぶと安心です。

3. 使用後はすぐに洗う

筆記後は速やかに水で洗い流すことが大切です。特にペン先の溝にはインクが残りやすく、乾燥すると落ちにくくなります。ぬるま湯を使って、やさしく流すように洗い、柔らかい布やティッシュで水分をふき取ってから保管しましょう。

4. 保管方法

直射日光や高温多湿を避け、専用のケースやクッション性のある布に包んで保管すると安全です。持ち運ぶ際には、衝撃吸収素材の入ったペンケースを使用するのが理想的です。

5. 小さな子どもやペットの手の届かない場所に

割れ物である以上、小さなお子様のいる家庭では特に注意が必要です。使用しないときは、高い位置や引き出しの中にしまいましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. ガラスペンってどこで買える?
A. 文具店の他、オンラインショップ(Amazon、楽天、Creemaなど)でも入手可能です。作家ものは公式ショップやイベントでの購入が安心です。

Q. 初心者に向かないガラスペンは?
A. 軸が極細すぎるものや、溝が浅くすぐにインクが切れるタイプは慣れていないと使いづらいです。まずは安定感のある中間サイズからがおすすめです。

Q. インクは万年筆用でいいの?
A. 基本的には万年筆用インクが使用できますが、染料インクの方が洗浄しやすく初心者向きです。顔料インクやラメ入りは筆先の目詰まりに注意。

もし顔料インクが乾いて水では落ちなくなったらこちらの洗浄液がおすすめ

まとめ|「最初の一本」は、書きたくなる一本を

ガラスペンは、単に文字を書く道具ではなく、「書く時間そのものを豊かにする筆記具」です。特に初心者にとっては、最初に手に取る1本がその後の印象を左右します。

本記事で紹介した5本は、いずれも価格・使いやすさ・デザイン性のバランスに優れたモデルです。「自分の書く時間を少し特別にしたい」と感じたとき、ぜひ手に取ってみてください。