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展覧会詳細
仙台では初の企画グループ展「多様化された細密表現 – 集の魅惑 -」に参加しました。
会期 |2026年4月25日(土) ~ 2026年5月1日(金)
会場 | 杜の都ものづくり大学内®「ギャラリーウィンドミル」(Instagram)
時間|12:00-19:00(最終日17:00まで)
住所|宮城県仙台市青葉区本町1丁目12-2 モンテベルデ花京院2F
JR仙台駅西口から徒歩8分/地下鉄勾当台公園駅南出口から徒歩10分
入場|無料
作品紹介

出展作品①

『無題2016091101』(Untitled2016091101)
ボールペンから万年筆へ移行した年の集大成となる線画作品です。
画材研究を重ね、極細の万年筆と、濃淡によって多様な表情を見せる青の顔料インクの組み合わせに到達しました。
画面上の濃淡はすべて一色のインクによる偶然で構成されています。
下書きや完成イメージは持たず、無心で描き続けることで
理想的な画面に到達するという制作姿勢を体現した作品です。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク
・制作年:2016年
・サイズ:420×594mm
出展作品②

『無題01031726』(Untitled01031726)
雲や岩のように、具体的な対象を想起しなくても人が美しさを感じる抽象的形態に着目し、その要素の抽出を試みたシリーズの1点です。
独自に調整した単色インクを使用し、色味や濃淡はすべて偶然によって生まれています。作者の意図を極力排除することで、世界に内在する法則性を画面に立ち上げることを目的としています。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク、アクリル
・制作年:2026年
・サイズ:148×210mm
出展作品③

『無題01030926』(Untitled01030926)
抽象的形態から美を見出す試みのシリーズ作品です。
一色のインクによる偶然の濃淡のみで構成され、作為性を排除することで、
鑑賞者の認知に委ねる余白を持たせています。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク、アクリル
・制作年:2026年
出展作品④

『無題01031626』(Untitled01031626)
「途中で制作をやめる」という行為をテーマにしたシリーズの最新作です。
完成像に収束させないため、あえて未分化の状態で制作を止めています。さらに鏡を用いて裏面も同時に見せることで、対象の輪郭認識を揺らし、視覚的な固定観念を崩す構造になっています。
日常的な視認のあり方に揺らぎを与えることを意図した作品です。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク、鏡
・制作年:2026年
・サイズ:150×150mm
出展作品⑤

『無題02032126』(Untitled02032126)
従来の線画と同様、一色インクによる偶然の濃淡で構成されています。
本作では正方形の画面で制作後、丸窓のマットでトリミングすることで、
作者の意図から外れた新たなイメージを生成する試みを行っています。
画面内の一部にラメ加工あり。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク、アクリル
・制作年:2026年
・サイズ:100×100mm
出展作品⑥

『無題01092325』(Untitled01092325)
従来の「偶然性」に依存した制作から一歩進み、より機械的な手法で自我を排除した作品です。
万年筆で格子を描いた後、ガラスペンを用いて1マス飛ばしで塗り進め、
水分量によるインクの滲みを利用して自然発生的なグラデーションを生成しています。
結果として、手作業でありながら規則性と偶然性が交錯する縞状の構造が立ち上がります。
制作期間:約1か月。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、ガラスペン、顔料インク
・制作年:2025年
・サイズ:対角368×368mm
出展作品⑦

『星想』(Celestial Trace)
一色のインクによる偶然の濃淡で構成された作品です。
タイトルの「星」は手の届かない領域や認知の外側を、「想」は言語化以前の思考や感覚を指しています。
具体的な意味を固定しないことで、鑑賞者ごとに異なる解釈の幅を持たせた抽象表現となっています。
画面内の一部にラメ加工あり。
・ジャンル:ペン画
・支持体:ケント紙
・画材:万年筆、顔料インク、アクリル
・制作年:2026年
・サイズ:100×150mm
作品の他にグッズ(キーホルダー、ジグソーパズル、缶ミラー、作品集、クリアファイル)を販売
在廊中、タブレットを設置し制作過程の動画を流した。
ポートフォリオも4冊設置
参加作家
荒井志帆/Shiho Arai
@arai_paper_art_japan
安藤光/Hikaru Ando
@nyar125
シシフモク/SiSifumoku
@sisifumoku_penart
田代桜雅/Oga Tashiro
@0grt__
展覧会を終えて

今回の展覧会は、結論から言えば「技術の提示にとどまらず、
“時間と熱量”そのものを可視化できた展示」だったと思います。
版画、ペン画と切り絵または具象と抽象という異なるジャンルを横断しながらも、
共通しているのは“細密”という一点に集約されていました。
無数の行為の蓄積によって成立する表現は、単なる技巧の誇示ではなく、
制作に費やされた膨大な時間そのものを内包しています。
そのため会場空間には、情報量の多さにもかかわらず緊張感が保たれ、
「引き締まった鑑賞体験」が成立していました。
これは企画意図と一致しており、構成として非常に精度が高かったと言えます。

また、20代と40代という世代の異なる作家が並列された点も、この展示の重要な軸でした。
若手の持つ衝動性や新鮮なアプローチと、
経験を重ねた作家の構造的・持続的な表現が同一空間に共存することで、
「細密表現」という一見限定的なジャンルに対して、多層的な読み取りが可能になっていました。
結果として、来場者にとっては単なる作品鑑賞ではなく、
“比較”や“発見”を伴う体験へと昇華されていたと考えられます。
集客面では来場者数自体は成功でした。仙台での人脈が少ない安藤の場合、
個人としての集客は伸びにくい傾向があります。
今後は、開催前に地域に向けたSNS発信を強化することや、現地の関係者との接点づくりが重要になります。

総じて本展は、「細密=技巧」という一般的な理解を一歩進め、
「時間の堆積」「制作行為の持続」「作家ごとの思想の差異」まで体感させることに成功した展示でした。
来場者が単なる“すごさ”ではなく、“なぜこの表現になるのか”という背景にまで意識を向けられたのであれば、
企画の目的は十分に達成されたと言えるでしょう。
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