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はじめに|「成功者=失敗してない」わけじゃない
画家として10年以上活動を続けてきましたが、最初からうまくいったわけではありません。
むしろ、今だから笑えるけれど、当時は本気で落ち込んだ失敗も数えきれません。
「成功者は、人知れず大量の失敗をしている」
この言葉、活動を続けるうちにじわじわと実感するようになりました。
この記事では、私が実際に経験した画家としてのリアルな失敗談とその教訓を紹介します。
これから活動を始める方や、似たような場面に直面している方の参考になれば幸いです。
海外展で作品が戻ってこなかった話

無料出展に舞い上がった結果…
ある日、国内の公募展で賞をいただき、「カナダでの展示に無料招待」という特典を得ました。
費用もかからず、指定先に作品を送るだけ。
私にとっては夢のような話でした。
展示の概要:
- 展示期間:1週間
- 会場:カナダのギャラリー
- 作品輸送:船便(片道1ヶ月以上)
- 作品点数:1点(幅50cm)
返却されると思っていたのに…
展示後も、現地ギャラリーから展示風景の写真が送られてきていたので安心していました。
しかし、問題はその後──返却です。
最大の失敗:問い合わせが遅すぎた。
「船便だから時間がかかる」と半年以上放置してしまいました。
ようやく問い合わせると「確認して折り返します」と言われたまま、半年以上音沙汰なし。
さらに問い合わせると「とっくに発送済み」とのこと。
それから10年以上経ちますが、未だに作品は戻ってきていません。
教訓:問い合わせは早めに・証拠は残す
信頼できる団体かどうか事前に調べる
返却予定日を必ず確認する
問い合わせ履歴は残す(メール推奨)
海外展に出す前に確認すべきポイント

海外展には「幻想」と「落とし穴」がある
よくある幻想はこれです:
「日本では売れないけど、海外なら私は評価されるかも」
しかし、これは現実逃避にすぎません。
1点出すだけでは現地ギャラリーに相手にされません。
むしろビジネススキルや英語での自己PR力が求められます。
掲載や出展にこちらからお金を払っているのであれば
評価されているわけではなくカモにされているだけかも・・・
海外展出展のための現実的な準備
- 渡航費・保険代を含む経済的な余裕
- 海外で売れるテーマや配色のリサーチ
- 英語での作品解説やポートフォリオ
- トラブル時に現地とやり取りできる語学力
パリのギャラリーからの展示勧誘メールに注意
「あなたの作品に興味があります」は罠かも
ある時から、以下のようなメールが届くようになりました。
「あなたの作品に非常に感銘を受けました。ぜひパリでの展示に出展していただけませんか」
最初は「自分が見つけられた!」と舞い上がりましたが、やりとりを進めると最終的にこう言われます:
「出展料18万円をご負担ください」
これはあなたが選ばれたのではなく、出展料を払う作家としてターゲットにされただけです。
見極めポイント
- 高額出展料は要注意(国内では幅1mで1万円ほど、海外展は送料含めて5万前後が相場)
- 不特定多数へのメール勧誘は信用しない
- 「あなたの作品に惹かれました」系はほぼ営業(向こうから声をかけてくるうまい話は要注意)
雑誌広告に○万円払って後悔した話

「個展の広告を掲載しませんか?」
個展を何年か継続して開催していた頃、ある出版社からこう言われました。
「雑誌で作品を掲載しませんか?○○万円で1ページ掲載できます」
最初は断ったのですが、「半額でいいです」と言われ気が緩み、掲載を決定。
結果はどうだったか?
- 地元の書店には雑誌が置いていない
- 名前の表記が間違っている
- 集客はゼロ
その後も営業が続きました:
- 「次号にも名前だけ載せませんか?」
- 「動画付きプランを追加しませんか?」
完全に営業ターゲット化されていました。
「地味な失敗集」
1. 個展最終日に雹(ひょう)と雷で来場者1人
これはもう天候のせいなので笑うしかない。
2. 作品解説が長すぎてお客さんが引く
「自分の世界観を伝えたい!」という思いが暴走してしまいました。
解説の長さは“相手の集中力”を基準にすべきと学びました。
失敗は恥じゃない。語れる財産になる

この記事で紹介したのは、単なる「やらかし自慢」ではありません。
失敗から何を学び、どう活かすかが本当の価値です。
失敗がくれた3つの学び
- ここぞという時を見極める判断力
- 迷ったら相談する勇気
- 語れるネタが増えるポジティブ思考
まとめ|失敗しないより「行動しない」が最大の損
- 「自分が選ばれた」と思った時こそ要注意
- 海外展・広告は費用対効果をしっかり見極めよう
- 失敗を次に活かす視点があれば、何も無駄にはならない
- 成功者は、例外なく地味で地道な失敗を経験している
絵を描くのと同じです。
まず線を引いてみないと、何も始まりません。
おわりに|この失敗談が誰かの役に立つなら
今回ご紹介したのは、
私が実際に経験した赤裸々な失敗の数々です。
誰かがこの記事を読んで
「ちょっと気をつけよう」と思ってくれたら、それだけで報われます。
失敗を笑い飛ばせる未来の自分を信じて、これからも描いていきましょう。