本年も吉祥寺の個展が無事閉幕しました。
酷暑の中お立ち寄りくださいました皆様、誠にありがとうございました。
ここでは過去の展覧会の記録として本展の詳細を記載しておきます。
展覧会概要
開催日:2024年7月30日(火)-8月4日(日)
時間:13:00-18:00(最終日17:00まで)
会場:アートギャラリー絵の具箱
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-24-6吉祥寺グリーンハイツ205
[オンライン展示同時開催]
360°カメラで撮影した展示写真を掲載
作品はオンラインでも購入可
https://hikaruando.stwp.tokyo/(現在は非公開)
本展ではドローイングは即興性がありながらラフ画、習作なのではなく「線で構成された作品」と定義し、これまで主軸で制作してきた線描画のほかに、現在に至るまでに派生したペン画表現の可能性を幅広く展示します。
抽象的で特にモチーフなどなくともそれがなんであるか、自分は何を感じるかを改めて考える事で日常生活の中で見逃しがちな新しい視点で物事を見る一助となることを期待します。
個展 「ドローイング細密画展」開催にあたって
以下個展会場に設置したあいさつ文です
『ドローイング(Drawing)とはペンや鉛筆などで「線を引く行為」という意味で、絵の具を使って制作するペインティング(painting)とは対照的に線画、素描、広い意味でのデッサンや下絵、習作などの総称として用いられます。
現代でもドローイングの定義は曖昧でドローイングとは何かを問う展覧会が各地で開催されるほどです。
2009年から突然よくわからないペン画を描き始めて15年経ちました。
私が制作する線描画は下書きやイメージをせず意識・意図を除外し、より無心を維持するように描いていきます。
制作過程の中で、例えば実際はただ不定形な雲の形が何かに見えるといったように無形のものというのは脳にとっては多大なストレスであり、負荷を下げるため無意識に既知のものへ置き換えて当てはめようとする錯覚(パレイドリア現象)が制作中にも生じます。
そんな錯覚に抗い、純粋無心で描かれた造形に惹かれ現在まで描き続けてきました。
そうしてできた造形は、自然界に存在するフラクタル的性質を持ちます。
作者が意図せずとも気づけば自然が内包する造形へと収束していったのです。
フラクタル構造も人間が認知出来る範囲には限界があり、
その認識の外側を観測したとき人は「偶然」を感じます。
ドローイングの歴史上、オートマティズムをはじめ作者の手を離れ偶然を作り出す様々な手法が模索されてきました。
私はペンで緻密な図形を描き続けることにより、何パターンかの図形を積層する手法で疑似フラクタル構造の規則性の振れ幅を増大させていきます。現在は、人の認識領域外を目指し限りなく「必然が希薄な状態」を作り出すことを主題に制作しています。
本展ではドローイングは即興性がありながらラフ画、習作なのではなく「線で構成された作品」と定義し、これまで主軸で制作してきた線描画のほかに、現在に至るまでに派生したペン画表現の可能性を幅広く展示します。
抽象的で特にモチーフなどなくともそれがなんであるか、自分は何を感じるかを改めて考える事で日常生活の中で見逃しがちな新しい視点で物事を見る一助となることを期待します。』
個展を終えて
今回の個展は今年の他の展覧会で出会ったお客様、
SNSで知ってもらえた方が多くいらっしゃった印象でした。
近年始めた普段使ってる万年筆やガラスペン、用紙などを使用した
『作家と同条件での筆記体験』も好評でした。
今年は作品の値上げしたのも関わらず例年と同程度の作品を購入、
また丁寧に鑑賞していただき感謝の言葉もありません。
新規のお客様も多かったようで作品集も割と購入いただけたと感じます。
(まだまだ在庫があるので助かります)
また何かを感じていただけるような作品を全力で作っていきますので
何卒よろしくお願い致します。
最後にお世話になりましたアートギャラリー絵の具箱のスタッフの皆様、
誠にありがとうございました。