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嫌なことを引きずって眠れないあなたへ
「嫌なことがあった日、なかなか寝つけない」
「頭の中で何度も思い出してしまう」
そんな夜、ありますよね。
実は**“記憶の定着”は睡眠中に起こる**ため、寝る直前の思考や感情は、特に記憶に残りやすいと言われています。
つまり、寝る前の過ごし方が「嫌なことを忘れる」最大のカギなのです。
今回は、ストレスフルな1日を手放し、
心を落ち着けて眠るための「寝る前ルーティン7選」をご紹介します。
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1. 嫌な感情を“書き出す”

寝る前に頭の中を整理する方法として有効なのが、「書くこと」。
やり方:
- 今日あった嫌なこと・イライラしたことを書く
- そのとき自分がどう感じたかを書く
- 最後に「もう終わったこと」と締める
たとえば:
「今日は仕事で上司に強く言われた。理不尽だった。悔しかったけど、もう終わった。今はもう安全。」
ポイント:
- ネガティブな感情を“頭の外”に出すイメージ
- 5分で終えて、長く書かない
2. 寝る直前のスマホをやめる

SNSやニュース、メールチェック……
つい寝る前にスマホをいじっていませんか?
これ、脳が再び“緊張状態”になる悪習慣です。
とくにネガティブな情報や誰かのSNS投稿は、嫌な記憶と結びつきやすい。
対策:
- 寝る30分前にスマホを見ない
- 代わりに紙の本、音楽、アロマなどに切り替える
スマホを見ることで「嫌な記憶を再活性化」してしまうのを防げます。
3. 脳をリセットする“ゆるい入浴”
お風呂にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、心が落ち着きます。
ポイント:
- 38〜40度のぬるめの湯
- 好きな香りの入浴剤を使う(ラベンダーや柑橘系がおすすめ)
嫌なことを思い出してしまうときは、体の緊張も強まっています。身体をゆるめることで、心もほどけていきます。
4. 「ありがとう日記」でポジティブ記憶を上書き

嫌な出来事の記憶は、ポジティブな体験で“上書き”することで薄れていきます。
今日1日の中で:
- 少しでも嬉しかったこと
- 感謝できる出来事
- ほっとした瞬間
を3つ書き出してみましょう。
例:「お昼のコーヒーが美味しかった」「友人のLINEが優しかった」「雨が止んでくれて助かった」
脳は「意識したものを記憶する」ので、感謝に目を向けることで嫌な記憶を後回しにできます。
5. 呼吸瞑想で頭を「空」にする

嫌なことをグルグル考え続けてしまうときは、思考を止めようとせず、意識を“呼吸”に向けるのがコツ。
簡単なやり方:
- 布団に入って目を閉じる
- 鼻から3秒吸って、口から6秒吐く
- 呼吸の数を数える(例:1吸って、1吐いて、2吸って…)
3分もすれば、頭の中のノイズがかなり静まってきます。
6. 「もういいよ」と声に出す
自分の中に残ったモヤモヤに対して、やさしい言葉をかけることも有効です。
たとえば、
- 「今日もよく頑張ったね」
- 「もうあのことは手放そう」
- 「大丈夫。もう過ぎたことだよ」
言葉には脳を変える力があります。
“他人”じゃなく、“自分自身”に優しい声をかけてあげましょう。
7. 寝る前に“未来のこと”を考える
過去の嫌なことばかり思い返していると、どんどん気分が沈んでいきます。
そこで、未来の楽しみを思い浮かべる時間を作ってみましょう。
- 週末に行きたい場所
- 食べたいもの
- やってみたいこと
小さくてもOKです。
未来のことを考えるだけで、脳は「前進モード」に切り替わります。
8.夜の照明を変えてみる

脳は光の刺激で「まだ昼だ」と誤解します。
寝る前に強い照明を浴びていると、メラトニン(眠りのホルモン)が分泌されにくくなり、記憶整理が始まりません。
具体的には次のように切り替えます。
- 寝る1時間前に照明を2700K(電球色)以下にする
- 間接照明またはスタンドライトだけにする
- スマホ画面はナイトモード+明るさ30%以下
この状態を続けると、脳は「安心して眠る時間だ」と認識し、
嫌な記憶を処理する準備に入ります。
9.“体”から落ち着かせる:筋弛緩トレーニング
不安を感じているとき、体は無意識に緊張しています。
そのため、「体をゆるめる」だけで心の反応も変わります。
方法は以下の通り。
・足先を3秒かけてギュッと力を入れる
・スッと力を抜く
・次にふくらはぎ、太もも…と順に上へ
全身を通して2〜3分。
この“力を入れて抜く”動作で、筋肉に蓄積されたストレス信号が減少し、脳が「安全」と判断します。
実際にこの方法は、PTSDや不安障害の治療にも活用されています。
10.“五感の1つ”に集中する——認知拡散のテクニック
嫌なことを思い出すとき、人の意識は「一点集中」になっています。
視野が狭まり、他の情報を遮断するため、記憶が増幅してしまうのです。
この状態を解くのが、**認知拡散(Defusion)**という方法。
例:
布団の感触に意識を向ける
窓の外の音を数える
手の温かさを感じる
つまり、“いまここ”の感覚を拾う。
マインドフルネスに近いですが、目的は「思考を止める」ではなく、意識を外側に広げること。
3分程度で、脳の再体験ループが自然に薄まります。
まとめ|寝る前は「記憶を癒す」時間にしよう

寝る前の1時間は、「脳が記憶を整理する準備」をしている時間です。
この時間帯にどんな思考・習慣を選ぶかで、翌日の気持ちと心の回復力が変わってきます。
嫌なことを忘れるための寝る前ルーティン10選:
- ネガティブを書き出す
- スマホを遠ざける
- ゆるい入浴で身体からリセット
- 「ありがとう日記」で感情を上書き
- 呼吸瞑想で頭を落ち着ける
- 優しい言葉を自分にかける
- 未来を想像して眠る
- 夜の照明を変えてみる
- “体”から落ち着かせる:筋弛緩トレーニング
- “五感の1つ”に集中する——認知拡散のテクニック
過去を手放すことは、「忘れる」ではなく「癒す」こと。
あなたが心穏やかに眠れる夜が増えますように。


