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自費出版の画集、どうやって人に見てもらう?
こんにちは。福島市出身のペン画家・安藤光(あんどうひかる)です。
2022年に自費出版した画集『無題』。せっかく作ったものの、在庫が段ボールに眠っているだけではもったいない…そう思い、「どこかに寄贈して、いろんな人に見てもらえたら」と考えるようになりました。
人生初、「寄贈チャレンジ」。この記事ではその体験をもとに、
自費出版した作品をどこにどうやって寄贈できるのかをリアルに解説します。
安藤光様より
— 創作空間caféアトリエ@大阪 (@cafeatelier2017) April 17, 2025
作品集『無題』を
寄贈していただきました🙌✨
ペンで緻密に描かれた作品が
たくさん見ることが出来る
1冊となっております…!✒️😳🌟
カフェ利用の際は誰でも無料で
読むことができるので
ぜひお手に取ってみてくださいね🩷 pic.twitter.com/43ZuaScmnl
きっかけは「自分の作品をもっと人の目に触れさせたい」
アーティスト活動をしている方なら、少なからず感じるこの思い。
「個展以外でも、もっと多くの人に作品を見てもらいたい」
「でも自費出版の本って、どこに送れるの?」
そんな疑問から、私は実際に画集をギャラリーや図書館、ブックカフェなどに寄贈してみることにしました。
寄贈する準備

そもそも寄贈ってどうやるの?
ルールは?ということで調べました。
自費出版の場合、ISBNコードがついてないことが多く寄贈先の収集対象になっていない、受付できないと記載されていることが多いと気づきました。
出版物を流通させる際に必要となるコードで、日本図書コード管理センターのウェブサイトで取得できます。
このコード取得が有料で書店などに流通させるつもりがない書籍にはハードルが高いと感じました。
流れとしては
HPなどで寄贈を受け付けている旨を確認
↓
メールなどで今現在も受け付けているか、自費出版でも大丈夫かなど問い合わせ
↓
承諾いただけたら梱包→発送
寄贈してみた
寄贈する目的は「在庫処分」ではなく「出会いを増やす」
画集は販売目的で制作したものではありますが、不特定多数の人の目に触れる機会を作ることは、活動の広がりにもつながります。
ネット販売では届かない層に作品を知ってもらう、そして感想をもらえるかもしれない。寄贈は単なる在庫整理ではなく、アートと人をつなぐ機会の創出なのです。
寄贈先を決める前に:知っておきたい3つのポイント
① 寄贈は必ず事前に確認しよう
「送れば置いてもらえる」わけではありません。まずはHPや公式SNSなどで、寄贈を受け付けているかを確認しましょう。
② 自費出版はNGのところもある
とくに図書館では、ISBNコードがない書籍は対象外になることも。
日本図書コード管理センターで取得できますが、有料です。
③ 寄贈後の扱いは寄贈先の裁量に任される
返却不可が原則。置き場所の指定など、過度な要望はマナー違反になります。
どこに寄贈する?
・地元の図書館(県立・市立など)
そんな条件でも地元の図書館などは地元出身者の著作を収集している場合があり、
その中には自費出版の詩集や手記などが対象になっていました。
ただ画集はどうなのか不安だったので
実際に問い合わせてみたところ
「地域資料として県内出身者の著作を収集している」
ということで送っていただきたいとお返事をいただきました。
・ギャラリー・ブックカフェなど
ZINEや画集を収集している店舗や施設が全国にはあります。
WEBサイトで受け付けてる旨を告知している場合もあります。
受け付けているところには発送する前に問い合わせてみるのもよいでしょう。
・小学校、幼稚園
絵本などの児童書、子供向けの本の寄贈を受け付けている場合があります。
実際に寄贈してみた|私が送った場所と反応
■ 地元の図書館(県立・市立)
福島県内の公共図書館に問い合わせたところ、「地元出身者の著作は地域資料として収集している」とのお返事をいただき、寄贈が実現しました。
📌ポイント:自費出版でも地域性が評価されることがある。まずは地元からが◎
■ ギャラリー・アート系ブックカフェ
大阪の「創作空間caféアトリエ」さんでは、ZINEや画集の寄贈を受け付けていると知り、問い合わせてから発送。SNSでも紹介していただきました。
📌ポイント:SNSで拡散されることも。アートと人が出会うチャンスが生まれる。
寄贈の流れ:ざっくり5ステップ
- HP・SNSで寄贈可否を調べる
- メールや問い合わせフォームで連絡
- 了承をもらったら梱包・発送
- 寄贈後は反応を待つ(PRしてもらえたら感謝の一言を)
問い合わせの文例
図書館に実際に問い合わせた文例です。
初めまして。
福島市出身・在住の安藤光(あんどうひかる)と申します。
この度は本の寄贈に関しましてご連絡いたしました。
自費出版した画集を寄贈したいと考えておりまして、
つきましては貴館の収集対象に含まれますでしょうか?
お忙しい中恐縮ではございますがお返事いただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
店舗・施設への寄贈問い合わせの文例です。
初めまして。
ペン画家として活動しております安藤光(あんどうひかる)と申します。
この度は本の寄贈に関しましてご連絡いたしました。
書籍寄贈の記事を拝見いたしまして
自費出版した画集を寄贈したいと考えております。
つきましては貴店舗様に寄贈させていただきたいのですが
現在は受け付けておりますでしょうか。
お忙しい中恐縮ではございますがお返事いただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
こんな感じの内容でメールを送って書籍送付の承諾いただきました。
寄贈後の取り扱い
寄贈後に資料がどのように扱われるかは、寄贈先の機関(美術館、博物館、図書館など)によって異なりますが、基本的には所有権が移譲され、寄贈者への返却は行われません。
基本的に「寄贈後の取り扱いは寄贈先に一任」と注意事項に記載されていることが多いです。
こちらから「〇〇に置いてほしい」「〇〇に見てもらいたい」など要望を出すのはやめましょう。
まとめ|「寄贈」は作品の旅のはじまり
寄贈は、作家の一方的な押し付けではなく、
作品が人と出会うチャンスを作る行為です。
売れなかったから寄贈するのではなく、
届けたいから寄贈する。
それがきっと、あなたの作品の価値をもっと広げてくれる一歩になるはずです。
私の画集『無題』も、どこかの誰かの目にふれて、
小さな気づきや癒しになってくれていたら嬉しいです。
「自費出版したけどどうしよう」「寄贈してみたいけど不安」
という方の背中を押す記事になれたら幸いです。