7/10-7/13『武蔵野アール・ブリュット2026』(東京)

武蔵野アール・ブリュット2026に入選いたしましたので武蔵野市立吉祥寺美術館に作品が展示されます。

アールブリュットとは・・・1940年代にフランスの画家・思想家である Jean Dubuffet が提唱した芸術概念で、
日本語では「生の芸術」とも訳されます。
美術教育や既存の芸術制度の影響を受けず、内側から湧き上がる衝動によって生み出された表現を指します。
精神病院の患者や独学の制作者、
社会的周縁にいた人々の作品が注目されましたが、
本来は「障害者アート」を意味する言葉ではありません。
重要なのは、評価や市場を意識せず、「描かずにいられない」という切実な行為そのものにあります。
作品には、執拗な反復、異様な密度、独自の世界観など、人間の根源的な衝動が強く表れる傾向があります。
現在の日本では福祉的文脈と結びつき「障害者アート」として紹介されることが多い一方、
本来は制度や価値基準の外側から生まれる自由な創作概念として位置づけられています。

展覧会詳細

武蔵野アール・ブリュット2026

2026年7月10(金)~13日(月)
武蔵野市立吉祥寺美術館
〒180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1-8-16
コピス吉祥寺A館7階
開館時間・・・午前10時~午後7時30分

安藤は7/10 13:00~在廊予定

武蔵野アール・ブリュットに出品に寄せて

現在、日本では「アール・ブリュット」が「障がい者アート」とほぼ同じ意味で捉えられることが少なくありません。もちろん、そこから多くの優れた表現が生まれていることは事実です。
しかし本来、アール・ブリュットとは障がいの有無によって定義されるものではなく、
既存の価値観や制度、教育、市場の評価軸から自由な場所で生まれる“生の芸術”を指す言葉でした。

私は、武蔵野アール・ブリュットがその本来の意味を重視している展覧会だからこそ、
健常者である自分があえて参加することにも意味があると考えています。
もし出展者の多くが障がいのある作家だけで構成されれば、
観客は無意識に「障がい者アートの展示」として見てしまうかもしれません。
しかし、さまざまな立場の作家が自然に混在していれば、人は属性ではなく作品そのものを見るようになります。

私自身の制作も、完成形を先に決めず、無心で線を重ね続けることで偶然性を引き出す表現です。
効率や成果とは異なる場所で、意味になる前の感覚や、反復行為そのものに向き合っています。
そうした制作姿勢は、既存の評価基準から少し距離を取りながら表現を探るという点で、
アール・ブリュットの精神と重なる部分があると感じています。

区別をなくすとは、「みんな同じ」と言うことではありません。
異なる背景を持つ人たちが、それでも同じ空間で同じように作品として扱われることに意味があるのだと思います。
だから私は、健常者だから距離を置くのではなく、その境界自体を少しでも曖昧にするために出品します。