ペン画家が使用する万年筆&インクを紹介

ペン画家が使用する万年筆&インクを紹介していきます。
こんにちは!ペン画家として全国で展示活動をしています安藤光(あんどうひかる)です。

・極細の線が引きたい
・なるべく安定した線を引きたい
・筆圧が強めの方にもおすすめの万年筆

などを知りたい方向けの内容です

なぜペン画を描くにあたって万年筆 を使っているのか
理由はこちら↓

使用している万年筆

パイロット-カスタム74で描いた作品一部

さまざま価格帯やメーカーの万年筆 を使ってみて最終的に選んだのは

パイロット カスタム74 EF です

価格は1万円台ですがラインナップとしては
カスタム742(2万円台)
カスタム743(3万円)があります。
2024年現在は値上がりに値上がりし定価は2万円~となりました。カスタム743が4万円です。

値段によって何が違うのかというと胴体の太さやペン先の大きさが違います。
値段が高くなるにつれて胴体やペン先が大きくなるのですが、
大きいほど長時間持ってても疲れにくく、
一般的にペン先は大きいほどしなりやすく弾力がある書き味になります。
ただ
どちらが使い勝手がいいかというとそれは人によるので
高ければいいというわけでもありません。

筆圧が強い人はペン先が小さめの『カスタム74』がオススメです。

選んだ理由

パイロット カスタム74 EFを選んだ理由は

1.ペン先の仕様

14Kとはペン先の金の含有量です。
18Kとか21Kなどがあり、一般的に数字が高くなるにつれて万年筆の価格も上がります。
含有率が上がると何が違うかというと、ペン先がしなりやすくなります。
文字を書く際にとめ、はね、はらいなどはしやすくなります。
筆圧がより反映されやすく細字から太字まで調整しやすくなります。
逆に一定の細い線を描きたい場合はしなりにくいペン先を選ぶことになります。

カスタム74のペン先

しなりにくいペン先というと鉄ペンと呼ばれるステンレス製のペン先もありますが今度は固すぎて紙の繊維を巻き込んだり細い線を描きたいのに実際は太くなったり滲みが発生しやすくなります。
金が入っていた方がしなりも滑らかであり、
微妙な違いですが
極細(EF)、14K、5号ペン先の組み合わせを選びました。

2.他メーカーの極細よりさらに細い

万年筆を使うにあたって様々なメーカーの万年筆を買って描き比べてみました。

細い線を描きたかったので海外製よりは国産
3大国内メーカー(セーラー万年筆、プラチナ万年筆、パイロット)の1万円台~3万円台の万年筆を使ってみましたが最終的に一番細く安定した線を描けるのはパイロットの万年筆でした。

3.コンバーター

コンバーターとはインク瓶からインクを吸い上げるスポイトみたいなもので、各社独自のコンバーターを発売しています。
互換性はあまりなく一般的に自社製品専用なのでセーラー製のコンバーターは他社万年筆には使えません。
なぜパイロット社製がいいかというと、パイロット社製コンバーター(CON-40)はよく見ると中にボールが入っています。
このボールが中でインクを撹拌してくれます。私は普段顔料インクを使っていますので、顔料インクはどうしても分離しがちで長時間描いていると顔料部分が沈殿してきます。そこでボール入りのコンバーターであることによって中で撹拌されやすくなります。
各社コンバーターでボールが入っているものはほぼありません。
そうすると各社工夫されているとは思うのですが管の中で液体が降りてこないことがあります。
長時間描く私にとって急にインクが出てこなくなって作業が中断されるのはストレスなので、
そういう意味でもボール入りのコンバーターが優秀と言えます。

上記の理由が当時金ペンで一番安かったパイロット カスタム74 EFを選んだ理由です。
(当時、極細万年筆のラインナップは1万円~だったので。近年は安価な極細万年筆も国内メーカーから発売されていますがどれも比べ物にならない程線が太いため)

使用しているインク

使用しているインクは基本的には顔料インクになります。
これは作品の保存性(耐水性、耐光性◎)を重視してのことになります。

万年筆用の顔料インク自体は各メーカーが様々な色のインクを販売しています。
カキモリ-顔料インク
プラチナ万年筆-万年筆用カーボンインク
パイロット-TSUWAIRO/強色
セーラー万年筆-顔料インク
などなど・・

これらすべてを私が買って試してきた結果、

今現在はセーラー万年筆から販売されているストーリアMIXを使っています。
ほかのセーラー万年筆製の顔料インクボトル(青墨蒼墨)も優秀です。
※極黒は粘度が高く乾きにくいので手で擦らない様に気を遣うため。

なぜストーリアMIXなのかというと
・体感で他社製のインクより滲みにくい
・色が豊富
・混色可能
・乾くのが早く手で擦りにくい

などです。
他社製のインクは粘度が低かったり、
逆に高くて乾きにくく手で擦りやすかったり、
いろいろな顔料インクを試してみて最終的にはストーリアMIXでした。

ストーリアの青が気に入っています

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まとめ

愛用のカスタム74×3本

いろいろな万年筆を使用してきて
最終的には


万年筆 はパイロット カスタム74 EF
+
インクはストーリアMIX


の組み合わせが私個人的に最高というパフォーマンスをする結果に至りました。
※万年筆に他社製のインクを入れるのは本来非推奨なので自己責任でお願いします。

現在はパイロット カスタム74 EFを3本使っています(笑)
全く同じ万年筆でもそれぞれ個体差があって奥が深いです。
是非気になった方は使ってみてくださいね!
ではまた